研究課題/領域番号 |
08457050
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
蛯名 洋介 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 教授 (00112227)
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研究分担者 |
岸 和弘 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助手 (70284320)
林 日出喜 徳島大学, 分子酵素学研究センター, 助教授 (10218589)
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キーワード | インスリン作用 / グルコーストランスポーター / 糖尿病 |
研究概要 |
インスリンは代謝調節、細胞増殖因子として生体必須のホルモンであり、それは細胞膜に存在するインスリンレセプターと結合することにより作用を発現する。そのシグナルがどのようにして細胞内に伝達され、最終的なターゲットに到達するか、またその病態によってどのような異常が生ずるかを解析することは医学・生物学上極めて重要な課題である。インスリン作用発現に重要な役割を果たすグルコーストランスポーターには基本構造の非常に類似したものが6種類ファミリーとして存在する。その中でGLUT4と対比されるものはGLUT1である。GLUT4はインスリンのターゲット組織である筋肉、脂肪細胞に特異的に発現しており、通常は細胞内膜分画に存在するが、インスリン刺激により細胞表面上に移行し、グルコースを取り込む。一方GLUT1は全身の組織に比較的広く発現しており、合成されたGLUT1はほとんどが細胞内にとどまることなく直接細胞表面上に発現し、定常状態のグルコースの取り込みに関与していると考えられる。このように基本構造は非常に類似しているにも関わらず、GLUT4とGLUT1は全く細胞内局在とインスリン反応性が異なる。申請者らはGLUT4とGLUT1のcDNAの間でキメラを作り、細胞で発現させた。インスリン反応性を検討し、GLUT4のN末半分にインスリン反応性のドメインが存在することを明らかにした。また、GLUT4のN末端領域、中央の細胞内ドメインのループ、C末端領域のいずれかが存在すれば細胞内にとどまることが明らかとなった。
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