研究課題/領域番号 |
08457058
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
鈴木 義之 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 副所長 (90010389)
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研究分担者 |
樊 建強 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (30291157)
桜庭 均 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (60114493)
内貴 正治 国立予防衛生研究所, 獣医科学部, 部長 (10020752)
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キーワード | 遺伝子ターゲティング / ノックアウトマウス / β-ガラクトシダーゼ / ガングリオシドGM1 / ライソゾーム病 |
研究概要 |
遺伝性ライソゾーム病、特にβ-ガラクトシダーゼ欠損を起こす病気の発生病理を検討し、更に中枢神経障害に対する分子治療法を開発するための材料として、標的破壊によるβ-ガラクトシダーゼ欠損ノックアウトマウスを作成した。臨床的には、生後3-4か月ごろより歩行障害が出現し、次第に進行した。数か月以内に痙性四肢まひ状態となり、生後11か月までに栄養失調のために死亡した。中枢神経系には広範な神経細胞の基質蓄積、変性、脱落が見られた。電子顕微鏡により、蓄積細胞にヒトのガングリオシドーシスに見られる同心円状封入体が観察された。すべての組織にβ-ガラクトシダーゼ欠損が確認され、中枢神経系にはガングリオシドG_<M1>の著しい蓄積を認めた。一般臓器には大きな病変がなかった。しかし病気の動物では、個体発生の比較的早期から、脾臓と胸腺に高度の萎縮がおこっていた。特に白脾髄の線維性萎縮が著明であった。胸腺リンパ球の数の著しい減少があり、上皮細胞には脂質蓄積を認めた。しかしそれぞれの免疫相当細胞の数の割合には異常を認めなかった。肝臓のクッパー細胞も蓄積物による膨満があった。このような所見から、形態的にはガングリオシドーシスの病像としてよいと考えられた。
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