研究課題/領域番号 |
08457058
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
鈴木 義之 (財)東京都臨床医学総合研究所, 副所長 (90010389)
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研究分担者 |
樊 建強 (財)東京都臨床医学総合研究所, 臨床遺伝学研究部門, 研究員 (30291157)
松田 潤一郎 国立感染症研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (60181731)
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キーワード | ノックアウトマウス / β-ガラクトシダーゼ / ガングリオンドG_<M1> / ライソゾーム病 / G_<M1>-ガングリオシドーシス / 遺伝子治療 |
研究概要 |
昨年度作成したガラクトシダーゼ欠損ノックアウトマウスの病態発生の分析ならびに遺伝子治療の試みを行った。脳組織のガングリオシドG_<M1>量は生後1週までは正常であったが、その後4週まで急速に蓄積が進んだ。病理学的には生後2週でほとんどの神経細胞内に封入体が出現し、4週から8週にかけて病変が進んだ。すなわち臨床症状が発現するよりも早い時期に病理学的・化学的変化が起こっていることが分った。新生児モデルマウスにβ-ガラクトシダーゼを組みこんだアデノウイルスを大量に静注したところ、2週間後に脳組織で正常の10%程度にβ-ガラクトシダーゼ活性上昇を認めた。中枢神経系以外でも、ほとんどの臓器で活性が上昇した。そしてG_<M1>蓄積量は末治療マススの半分程度に改善しており、G_<A1>蓄積も軽度であった。マウスでも新生児期には血液脳関門は未完成であり、静脈に投与した高分子の異物が脳組織に到達した可能性がある。しかし5週後には末治療マウスと比較してG_<M1>含量に差がなく、酵素活性発現量も急速に減少した。この一過性の発現に対しては、より持続的な発現をめざした今後の検討が必要である。
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