研究課題/領域番号 |
08457071
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
高橋 潔 熊本大学, 医学部, 教授 (70045631)
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研究分担者 |
児玉 龍彦 東京大学先端科学技術研究センター, 教授 (90170266)
宮川 和久 熊本大学, 医学部, 助手 (00244111)
竹屋 元裕 熊本大学, 医学部, 助教授 (90155052)
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キーワード | スカベンジャー受容体 / マクロファージ / 粥状硬化 / 泡沫細胞 / 遺伝子欠損マウス / 修飾LDL / AGE / 細胞内動態 |
研究概要 |
1.ヒトマクロファージスカベンジャー受容体(MSR)合成蛋白に対するポリクロナール抗体ならびに最近作製に成功したモノクローナル抗体を用いて免疫染色を施行すると、ヒト動脈硬化症病巣内のマクロファージ由来泡沫細胞にMSRの発現を確認し、MSRが粥状硬化におけるマクロファージの泡沫化に深く関わることが示唆された。とくに、粥状硬化の初期病変である脂肪線状におけるマクロファージに強いMSRの発現が認められた。 2.MSRのリガンドの一つであるadvanced glycation end products (AGE)に対するモノクローナル抗体を用いて、ヒト動脈硬化症病巣におけるAGEの蓄積を免疫組織学的に検討した。その結果、病巣のマクロファージ由来泡沫細胞内とともに、細胞外基質への蓄積が明らかとなった。さらに、ウシの各組織で種々の細胞ならびに細胞外にAGEが蓄積することを明らかにした。 3.MSR knockoutマウスを用い、マクロファージ亜群の局在、分布、形態、超微形態、貧食機能を検索すると、マクロファージの分布や形状には正常と差がないが、マクロファージによるアセチルLDL,酸化LDL、AGEの取り組みが著しく減少することを明らかにした。 4.ウシ肺胞マクロオファージによるアセチルLDL,酸化LDL、AGEの取り込み程度におけるMSRの細胞内移動と動態に関して検討し、ウシMSRモノクローナル抗体D2と金コロイド粒子標識リガンドを用いて免疫電顕的に追跡し、これらのリガンドはMSRと結合したのち、細胞内に取り込まれ、二次ライソゾーム内にて消化、分解され、一方、MSRはエンドゾーム内でリガンドと解離し、ライソゾームに移行することなく、ゴルジ装置を得て細胞膜に回帰することを証明した。
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