1)抗OPN単クローン抗体(OPNmAb)の抗原と機能特性の検索:PAP法による各mAbの反応特性を検討した。また、各mAbの抗原エピトープを合成ペプチドを用いて検討した。OPNの機能ドメインについてリコンビナントOPN(rOPN)および各mAbを用いて検討し、RGD部にP388D1やB16細胞との主要な細胞接着部が存在することを確認した。また、ヒドロキシアパタイトとの結合を検討し候補ドメインがRGD部のN末端側の連続した親水性アミノ酸の連続部に存在することを決定した。2)諸病態におけるOPN:OPN濃度測定法をLPS投与マウスおよびArthus反応で経時的に検討し、血中OPNおよび局所濃度が上昇することを観察した。粥状硬化(AS)におけるOPN:ASの動物モデルの入手に時間がかかりなお未検討である。1.肺2型上皮にTNF-aを発現するTGマウスの肺組織でOPNの発現を追求し、OPN発現が肉芽形成に関与する可能性を明らかにした。P.acnesを用いた肝臓の実験的肉芽炎におけるOPNの関与についても同様の成績を得た。2.TNF-aをβ細胞に発現するTGマウスのOPNの発現を検討したが島におけるOPN発現は観察されなかった。3.ウシ2型コラゲンによるマウス関節炎におけるOPNの発現をPAPおよびISHで経時的に検討し、浸潤MφにOPNが強く発現することを観察した。4.胎生期および出生後におけるOPN:各機能阻害効果を示すmAbを母体や新生児マウスに投与し、発生初期における投与はいずれも発生阻止につながることを観察した。現在諸器官の異常を検討中である。5.がんにおけるOPN:マウスの可移植性腫瘍の移植局所および転移部のOPNの発現をPAPおよびISH法で経時的に検討し、高転移および浸潤性腫瘍細胞周囲でOPNの高発現傾向があることを観察した。現在、移植後種々の時期に機能阻害効果の異なるmAbを投与し、がん細胞の増殖、浸潤、転移に及ぼす効果を検討中である。3)OPN TMの解析:alATTMにおけるOPNの血中濃度を測定し、有意に高値を示すことを確認した。F1で非免疫性および免疫性(I-IVの各型)炎症の検討を行ったが、反応にばらつきが多く、バッククロスをすすめ10Nのホモザイゴ-ト化を行い、抗体産性、細胞性免疫、化学発がん、がん細胞増生、転移などを検討する。
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