研究課題/領域番号 |
08457079
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
井上 達 国立医薬品食品衛生研究所, 安全性生物試験研究センター・毒性部, 部長 (50100110)
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研究分担者 |
佐々木 秀樹 横浜市立大学, 医学部・小児科, 助教授 (50106316)
平林 容子 国立医薬品食品衛生研究所, 安全性生物試験研究センター・毒性部, 主任研究官 (30291115)
高木 篤也 国立医薬品食品衛生研究所, 安全性生物試験研究センター・毒性部, 主任研究官 (00179417)
広瀬 明彦 国立医薬品食品衛生研究所, 安全性生物試験研究センター・総合評価研究室, 主任研究官
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キーワード | P53欠失マウス / サイトカイン / TGFβ / 骨髄造血前駆細胞 |
研究概要 |
本研究は、培養造血幹細胞および高増殖性造血幹細胞(HPP-CFU)におけるサイトカイン依存性の増殖制御に対するTGFβとp53の関与をあきらかにすることを目的にしており、前年度(平成8年度)は,野生型およびp53欠失マウスより得られた高増殖性造血幹細胞に対してin vitroでTGF-βを添加し,p53欠失マウスではTGF-βによるコロニー形成の抑制効果が,(rmMPO刺激によるコロニー形成を除いては)弱くなっていることを証明した.本年度は引き続きp53ヘテロ欠失マウスに対する検討と5FU処理24時間後におけるHPP-CFUのTGF-β抑制効果を検討した。 TGF-βの処理濃度を0.1〜10ng/mlにした場合、TGF-βのHPP-CFU抑制効果曲線は野生型マウスに比べてP53ホモ欠失マウスでは高濃度側にシフトするが、ヘテロ欠失マウスにおいては、0.1ng/mlでは野生型とホモ欠失との中間であったが、1ng/ml以上では野生型と同様の挙動を示した。 また、p53欠失マウスで5FU処理24時間後においてもTGF-βのコロニー形成の抑制効果をしめしたが、その時の回復率は、48時間処理した野生型マウス(前年度の結果)に比べても低いものであった。以上のことは、TGF-βによる高増殖性造血幹細胞の増殖抑制シグナル伝達には、p53依存性と非依存性のあることが推測された。
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