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1996 年度 実績報告書

RNAウイルスの細胞内持続感染機構の解析(C型肝炎ウイルスの感染性cDNAクローンを用いて)

研究課題

研究課題/領域番号 08457101
研究種目

基盤研究(B)

研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

小原 道法  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 微生物研究部門, 研究員 (10250218)

研究分担者 小原 恭子  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 微生物研究部門, 研究員 (20225478)
脇田 隆字  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 微生物研究部門, 研究員 (40280789)
キーワードC型肝炎ウイルス / 感染性cDNAクローン / 遺伝子複製
研究概要

培養細胞を用いたHCVの効率の良い試験管内感染増殖系はいまだ確立されておらず、このことがHCVのウイルス学的検討を困難にしている。HCVの持続感染複製における各遺伝子領域の役割を明らかにするため、全遺伝子約9600塩基を組み込んだcDNAクローンの構築を行った。HCV全遺伝子のcDNAをT7プロモーターの下流に導入した発現ベクターをHCV感染性細胞にトランスフエクションし、T7RNAポリメラーゼ発現組換えアデノウイルスを感染させる事によりHCV蛋白質を発現させた。トランスフエクションした細胞において、HCV遺伝子にコードされているすべての蛋白質の発現が認められた。また、HCVcDNAを導入発現した細胞内に、プラス鎖およびマイナス鎖RNAの存在が同定された。3'末端に97塩基のHCV分離株間で塩基配列が非常によく保存された3'Xと呼ばれる領域が存在している。この領域の有無による遺伝子複製効率の違いについて検討したころ、存在している方が効率が良い傾向が認められた。また、免疫電子顕微鏡による検討から細胞質内に直径30-35nmの内部に核酸を有するコア粒子様構造物が、また小胞体内に50-60nmのウイルス様粒子の生成が認められた。
HCV遺伝子にコードされている全蛋白質が産製され、マイナス鎖RNAの存在が同定され、遺伝子RNAが複製している可能性が示唆された。免疫電子顕微鏡により認められた細胞内に存在する直径30-35nmのコア粒子構造物、また小胞体内に存在する50-60nmのウイルス様粒子はウイルス粒子の形成過程を示していると考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Y.Shimizu,M.Kohara,H.Yoshikra et.al.: "Detection of Interacellular Virus Particles by Electron Microscopy" Hepatology. 23. 205-209 (1996)

  • [文献書誌] T.Kashiwakuma,A.Hasegawa,M.Kohara et.al.: "Detection of hepatitis C Virus specific core protein in serum of patients by a sensitive fluorescene enzyme immunoassay" J.Immunological Methods. 190. 79-89 (1996)

  • [文献書誌] E.Orito,M.Mizokami,M.Kohara et.al.: "Quantification of serum hepatitis C Virus cone protein level in patients chronically infected with different hepatitis C Virus genotype" GUT. 39. 876-880 (1996)

  • [文献書誌] G.Barda,M.Kohara,C.Brechot et.al.: "Hepatitis C Virus Core Protein shows a Cyfoplasmic Localization and Associates to Cellular Lipid Storage Droplets." Proc.Natl.Acad.Sci.USA. 94. 1200-1205 (1997)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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