研究概要 |
1, ラットCD80,CD86に対して作製したmAbsを用い、種々のラット抗原提示細胞における発現を明らかにした。また、実験的自己免疫性ブドウ膜炎(EAU)においては抗CD80抗体による抑制を、逆にBBラットのI型糖尿病では抗CD80抗体による発症の促進を認めた。 2, 可溶性FasLは好中球及びマクロファージに対して直接的な走化活性を有することを明らかにした。また、FasL発現細胞にIL-10やTGF-βを遺伝子導入により発現させると、好中球浸潤による拒絶が抑制されることを見い出した。 3, ヒト及びマウスTRAILに対するmAbsを作製し、そのT細胞及びNK細胞における発現を明らかにした。また、これらの細胞による標的細胞傷害へのTRAILの関与を見い出した。 4, マウスCD70,OX40L,CD30L,4-1BBLに対するmAbsの作製に成功し、これらの分子のT細胞及び抗原提示細胞での発現を明らかにした。また、活性化B細胞によるCD28非依存性のT細胞活性化にOX40L及びCD70が関わることを示した。 5, ラットOX40LのcDNAクローニング及びmAbの作製に成功し、種々の疾患モデルへの効果を検討している。 6, ラットからマウスへの異種移植心あるいは膵島の拒絶においては、ICAM-1は移植臓器側のものが重要であるのに対し、B7は宿主側のものが重要であることを示した。 7, 急性心筋炎及び拡張性心筋症患者の心組織にB7及びCD40の発現を認めた。マウスのウイルス性心筋炎モデルにおいて、抗B7 mAb及び抗CD40L mAbの投与により著明な抑制効果を認めた。 8, CD27を介したNF-κB及びJNKの活性化にTRAF2,TRAF5及びNIKが関与することを示した。また、新たなIκB kinase(IKKβ)を見い出し、T細胞あるいは抗原提示細胞の活性化に関わる多くのTNF受容体ファミリー分子を介したNF-κB活性化への関与を明らかにした。 9, マウスCD94,NKG2A,NKG2CのcDNAクローニングに成功し、これらに対するmAbsを作製している。 10, ヒトHLA-EのマウスホモログであるQa-1に対するmAbの作製に成功し、その発現及び機能を検討している。
|