• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

サロゲイト軽鎖によるB細胞分化制御の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 08457110
研究種目

基盤研究(B)

研究機関(財)東京都臨床医学総合研究所

研究代表者

烏山 一  財団法人東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (60195013)

研究分担者 北村 ふじ子  (財)東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (90124453)
反町 典子  (財)東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (30217468)
杭田 慶介  (財)東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (70225126)
キーワードサロゲイト軽鎖 / プレB細胞レセプター / B細胞分化 / シグナル伝達 / キナーゼ / リンパ球 / プレB細胞 / プロB細胞
研究概要

B細胞分化過程のごく初期に限局して産生されるサロゲイト軽鎖はμ鎖とともにプレB細胞レセプターを形成し、B細胞分化に決定的な役割を果たしている。B細胞レセプターに比べプレB細胞レセプターを介するシグナルの研究が遅れていたひとつの大きな原因は適切なアッセイ系の欠如にあった。我々は、B細胞レセプターもプレB細胞レセプターもまだ発現していないプロB細胞の表面にもすでにIgα/Igβ複合体が発現していることを見いだし、それを応用してプレB細胞レセプターを介するシグナル伝達を解析するための新たなシステムを樹立した。B細胞分化がプロB細胞期で停止しているRAG欠損マウスに抗Igβ抗体を注射してin vivoでプロB細胞上のIgβ分子を架橋したところ、プロB細胞から小型プレB細胞への分化誘導が観察された。そこで、RAG欠損マウスから骨髄細胞を単離し、in vitroでプロB細胞上のIgβを抗体で架橋したところ、架橋後1分以内に数種類の細胞内蛋白質のチロシンリン酸化ならびにMAPキナーゼの一過性の活性化がおこることが判明した。以上の結果は、プロB細胞上のIgβ分子を架橋することによってプレB細胞レセプターを介するものと同等の分化誘導シグナルが細胞内に伝達されたことを示しており、この新しいシステムがプレB細胞レセプターシグナル伝達に関与する分子の同定ならびに制御機構の解析に強力な武器になることを意味する。さらに、上記の結果からプレB細胞の分化過程にはさまざまなキナーゼ分子が関与していることが強く示唆されたので、プレB細胞に発現しているキナーゼ遺伝子をRT-PCR法で解析した。その結果、酵母のシグナル伝達に重要な働きをしているSTE20と相同性を持った新規セリン・スレオニン遺伝子のクローニングに成功した。この新規キナーゼはリンパ球に選択的に発現しており、リンパ球の分化、増殖、活性化のシグナル伝達に関与していることが強く示唆された。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] Karasuyama,H.: "Surrogate light chain in B cell development." Advances in Immunology. 63. 1-41 (1996)

  • [文献書誌] Karasuyama,H.: "The roles of preB cell receptor in early B cell development and its signal transduction." Immunology and Cell Biology. (1997)

  • [文献書誌] 烏山一: "B細胞初期分化の分子機構" Molecular Medicine. 34(1). 24-34 (1997)

  • [文献書誌] 烏山一: "B細胞分化に関する最近の進歩" IMMUNO-REVIEW. 13(3). 79-83 (1996)

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi