研究課題/領域番号 |
08457114
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
荻野 景規 金沢大学, 医学部, 教授 (70204104)
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研究分担者 |
吉田 雅美 金沢大学, 医学部, 助手 (90251925)
長瀬 博文 金沢大学, 医学部, 講師 (00251918)
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キーワード | 酸化亜鉛 / グルタチオン / 化学発光 / 好中球 / 細胞内情報伝達 / 一酸化窒素 / パーオキシナイトライト / カルシウム |
研究概要 |
酸化亜鉛(ZnO)刺激によるラット腹腔浸出性好中球の活性化機構をルミノールやルシゲニンを用いた化学発光で細胞内情報伝達機構とNO(一酸化窒素)との絡みにおいて検討した。酸化亜鉛によるルミノール発光は、還元型グルタチオンだけでなくチオール基を有したチチオスレイトールの添加によっても増強された。酸化亜鉛+グルタチオン刺激よる発光は、酸化亜鉛単独刺激に比べスパーオキシドディスムターゼ(SOD)による抑制効果が少なく、活性酸素(O_2^-)の関与が少ないことが示唆された。種々の阻害剤を用いることにより酸化亜鉛、酸化亜鉛+グルタチオンによる刺激にプロテインキナーゼC、カルモヂュリン、GTP結合蛋白、チロシンキナーゼ、細胞内カルシウムの遊離などの細胞内情報伝達機構が関与していることが認められた。また、dichlorofluorescin diacetate(DCFH-DA)を用いた蛍光法による細胞内H_2O_2量は、酸化亜鉛刺激より酸化亜鉛+グルタチオン刺激の方に上昇を示し、ミエロペルオキシダーゼ(MPO)活性に対してもグルタチオン添加が著明な抑制を示すことから、H_2O_2の上昇が関与していることが認められた。さらに、NOの産生をNO_2^-でみると酸化亜鉛および酸化亜鉛+グルタチオンで上昇することがわかり、これら刺激剤によるルミノールの発光のNOとO_2^-の反応物ONOO^-の関与が示唆された。
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