緑茶飲用の血清脂質に及ぼす影響を検討するために必要な疫学調査を実施し、調査資料のデータ・ベース化をおこなった。調査対象は、詳細な医学検査が実施されている定年退職前の自衛官(ほとんどが50歳代前半の男性)である。福岡および熊本の自衛隊病院における受診者について、緑茶飲用習慣を含むライフスタイル調査を実施するとともに、血清脂質検査値(総コレステロール、HDL-コレステロールおよび中性脂肪)などの医学検査データを系統的に収集した。 平成7年1月から平成8年12月までの期間に調査した803名については、血液生化学検査値、大腸内視鏡検査結果、腹部超音波検査結果などの医学検査データとライフスタイル調査の結果を統合させたデータ・ベースを完成させた。平成9年1月から平成10年12月までの2年間の調査数は944例であった。これら944名のライフスタイル調査結果および医学検査データの入力作業は終了しているが、エラー・チェックなどのデータ編集が終わっていない。平成7年から平成10までの4年間の合計1747名のデータを用いて緑茶飲用と血清脂質の関連性を詳細に検討することになる。平成7年より以前の自衛官のデータでは、緑茶飲用と血清コレステロールとの間に負の関連性を認めているが、今回は食物・栄養要因を十分に考慮して緑茶飲用と血清コレステロールとの関連性を検討することになる。あわせて、血清コレステロールとの関連性が注目される大腸ポリープや胆石症と緑茶との関連性も検討する予定である。
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