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1996 年度 実績報告書

サイトカインの解析を応用した産業化学物質の免疫毒性の評価

研究課題

研究課題/領域番号 08457117
研究種目

基盤研究(B)

研究機関鹿児島大学

研究代表者

松下 敏夫  鹿児島大学, 医学部, 教授 (10022790)

研究分担者 胥 宝会  鹿児島大学, 医学部, 助手 (00264408)
青山 公治  鹿児島大学, 医学部, 講師 (70117472)
キーワード産業化学物質 / 免疫毒性 / 評価法 / サイトカイン / RT-PCR / ELISA / リンパ球表面マ-カ / Flow cytometry
研究概要

平成8年度の研究では、DNCB、OXAZ、TDI等を試験物質として異なる投与経路を用いてマウスに投与し、その免疫毒性をサイトカインELISA法およびRT-PCR法で検討したとともに、他の免疫毒性指標との比較をも行った。以下の知見が得られた。(1)DNCB、OXAZを用いて皮膚塗布したマウスでは、処置後の6日目にそのリンパ節においてサイトカインmRNAをRT-PCRで測定した。その結果、IL-2、IL-4、IL-5、IL-10、IL-12p35、IL-12p40、IL-13、IFN-gammaのmRNA発現が対照群に比べて有意に増加した。これらのサイトカインの中で、IL-2、IL-12、IL-4、IFN-gammaのmRNA発現の増加は最も強かった。(2)上記の検討の結果を基づいて、IL-2、IL-4とIFN-gammaのmRNA発現の時間経過を検討した。IL-2とIFN-gammaのmRNAの場合には、その発現は処置後の2日後にピークになって、その後減少し、10日後に殆ど正常に戻った。他方、IL-4は2日後に上昇をはじめ、6日後ピークになったが、10日後に依然高い水準を維持した。また、IL-12の投与により、リンパ節におけるIL-2とIFN-gammaのmRNA発現が増強されたが、IL-4のmRNAの発現は抑制された。(3)TDIを塗布または皮内注射したマウスについてその脾臓細胞をin vitroにおいてPHAで刺激し、その上清中のサイトカイン濃度をELISA法で測定した。その結果、TDIで処置したマウスでは、IL-5を除いて、PHAによる脾臓細胞のIL-2、IL-4とIFN-gammaの産生は対照群より強かった。また、血清総IgEとIL-4産性との間およびマウス耳介肥厚反応とIFN-gammaとの間には正の相関関係が認められた。(4)OXAZ、DNCB、TDIによるT細胞表面マ-カ、B細胞表面マ-カとNK細胞表面マ-カの変化、DDVPおよび水銀によるサイトカインと細胞表面マ-カとへの影響について現在実験進行中である。以上の結果より、サイトカインの解析は、たぶん産業化学物質の免疫毒性評価の一つの新たな手法になろうと思われる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 胥宝会他: "マウスの接触過敏症に対するIL-12の増強効果" 産業衛生学雑誌. 39(増刊)(印刷中). (1997)

  • [文献書誌] 胥宝会他: "アレルギー性接触皮膚炎の皮膚におけるcytokine profiles" 産業衛生学雑誌. 38(増刊). S462 (1996)

  • [文献書誌] 青山公治他: "TDI処置のサイトカイン産生誘導に対する影響" 産業衛生学雑誌. 38(増刊). S463 (1996)

  • [文献書誌] Xu BH et al: "RT-PCR analysis of in vivo cytokine profiles in murine allergic contact dermatitis to DNCB" Toxicol Methods. 6(1). 23-31 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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