研究課題/領域番号 |
08457120
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 東邦大学 |
研究代表者 |
大本 美彌子 東邦大学, 医学部, 教授 (20057491)
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研究分担者 |
塚本 昭次郎 東邦大学, 医学部, 助教授 (90059296)
大田原 由美 東邦大学, 医学部, 助手 (60287498)
今井 常彦 東邦大学, 医学部, 講師 (90104215)
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キーワード | エタノール / 腎影響 / アダクト / cholecarciferol / α-GST |
研究概要 |
飲酒の生体影響のうち肝障害は周知である。しかし循環器系や骨の障害事例が存在するにも拘らず、機序は明らかにされていない。申請者らは多量飲酒者および動物実験例において腎および尿中におけるエタノールおよび一次、二次代謝物およびそのaductsの存在を明らかにすると同時に対応する臓器器官への影響を明らかにすることを目的とした。 初年度の成果としては、尿中におけるethanolおよびその代謝関連物質のaductsの存在が明らかにされたこと。さらに腎組織中にもaductsの蓄積を観察し得たこと。Angiotensin converting enzymeの活性が有意に高められたこと。腎におけるcholecarciferolのhydroxylationが有意に低下したこと。またこれらは、腎組織所見における傍糸球体細胞の増殖、メサンギウム細胞の増殖、近位尿細管機能の低下を示すaduct貯留とも関連した尿細管上皮細胞内硝子様滴貯留、塩基性尿細管、細胞浸潤等とよく符合した。 肝影響指標の一つでもあるα-GST、Cholecarciferolに有意の変化が起らず、肝組織所見にも著変の起こらぬ時期に、斯様な腎の機能的形態的変化の起ることも確認され、エタノールの腎への機能的、形態的障害がエタノールによる肝への影響より先んじて起っていることが明らかにされた。
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