研究課題/領域番号 |
08457122
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学
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研究機関 | 大阪府立公衆衛生研究所 |
研究代表者 |
大竹 徹 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (70250298)
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研究分担者 |
泉本 洋子 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 研究員 (70291218)
川畑 拓也 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 研究員 (80270768)
森 治代 大阪府立公衆衛生研究所, 公衆衛生部, 主任研究員 (20250300)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1998
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キーワード | エイズ / HIV / 発症予知 / 臨床マーカー / ウイルス分離 / 変異ウイルス / 薬剤耐性 / HIV RNAコピー数 |
研究概要 |
HIV感染症における病気の進行につれて起るHIVの性質の変化を、HIV感染者の病態把握のためのマーカーとして応用するための検討を行った。著者らは1988年以来150名におよぶ感染者から経時的にウイルス分離を行い、分離されたウイルスの性質の変化、つまり巨細胞形成能を持つSIタイプウイルスの出現などの現象と感染者の病態との関係を解析した。その結果次のような所見が得られた。 (1) 独自の混合培養法によりウイルス分離を行い、「分離指標」つまり分離の成否、分離に要する培養期間および分離ウイルスのMT-4およびMT-2細胞への感染性の有無が実際に変異ウイルスの検出のための方法として適していることが明らかにした。 (2) 病態の進行とともに、ウイルス分離の成功、分離に要する培養期間の短縮、変異ウイルス(T細胞株へ感染性を持つ)の出現が見られた。実際に、変異ウイルスが検出され、発症以前に予測が可能であった例がいくつか見られた。これらのことからウイルス分離によるデータはエイズ発症の予知マーカーとして有用であることが確認された。 (3) 1997年ごろから始まった抗HIV剤を複数投与するコンビネーション治療法により、ウイルス分離率は低下した。薬剤の効果とウイルス分離によるデータとの間には強い相関関係が見られ、ウイルス分離が治療マーカーとしても優れていることを明らかにした。 (4) gp120のV3の遺伝子解析は変異ウイルスの出現を知る手がかりになることが示された。 (5) 薬剤耐性を検出する手段としては、HIV-1の逆転写酵素およびプロテアーゼ領域の遺伝子解析が有効であることが判明した。しかしgenotypeとphenotypeが一致しない例が少ないながら認められた。
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