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1997 年度 実績報告書

食道癌発生における環境・遺伝要因の相互作用に関する総合研究

研究課題

研究課題/領域番号 08457128
研究機関信州大学

研究代表者

那須 民江 (中島 民江)  信州大学, 医学部, 講師 (10020794)

研究分担者 太田 節子  信州大学, 医学部, 助手 (90143974)
福嶋 義光  信州大学, 医学部, 教授 (70273084)
佐藤 章夫  山梨医科大学, 教授 (40020747)
キーワード中国 / 食道癌 / ビタミンA / βカロテン / ビタミンE / 喫煙 / セレン / 疫学
研究概要

中国河北省の食道癌高発地域(磁県)、中発地域(賛皇県)、低発地域(赤城県)住民および食道癌患者から約40名ずつのボランティアをそれぞれ募り、採血をした。血清を分離し、使用まで-85℃下で保存した。同時に喫煙歴も質問した。血清中ビタミンA,E、およびβ-カロテンは蛍光検出器を備えた高速液体クロマトグラフで測定した。血球中セレン濃度の測定は原子吸光法で測定した。
1.喫煙歴:Pack yearsは癌患者>高発地域=中発地域>低発地域の傾向が認められたが、有意差は認められなかった。
2.ビタミンA:血清ビタミンAは低発地域>高発地域>癌患者>中発地域であった。各群とも、非喫煙者のビタミンA値は喫煙者より高い傾向を示したが、有意差は認められなかった。
3.β-カロテン:血清β-カロテン濃度は、低発地域>中発地域>高発地域>癌患者であった。また、低発地域では、非喫煙者>喫煙者で、喫煙が血清β-カロテン濃度に影響を与えることが明らかとなった。
4.ビタミンE:血清ビタミンEは中発地域が最も高かった。しかし、他の3群間に差は認められなかった。また、喫煙の影響も認められなかった。
5.血球セレン濃度:血球セレン濃度と食道癌とのエコロジカルな関連性は認められなかった。しかし、癌患者の血球セレン濃度は低い傾向であった。また、低発地域においては、血球セレン濃度は非喫煙者>喫煙者であった。
6.食道癌高発地域、中発地域、低発地域でとれた、果物、野菜類のセレン濃度を測定したが、地域差は認められなかった。
7.まとめ:食道癌高発地域住民の血清β-カロテンレベルは低く、食品からの摂取の低さが反映していると推測された。β-カロテンレベルの低いことが食道癌のリスクであるかもしれない。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Nimura Y et al: "Genotyping of the CYPIAI and GSTMI genes in esophageal carcinoma patients with special reference to smoking" Cancer. 80・5. 852-857 (1997)

  • [文献書誌] Nakajima T et al: "Expression of cytochrome P450s and glutathione S-transfereses in human esophagus with squamous-cell carcinomas" Carcino genesis. 17・7. 1472-1481 (1996)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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