研究課題
基盤研究(B)
大宜味村の老人を対象に健康長寿要因を探るために、10年後の縦断的調査を実施した。初回調査(1987年)の対象者711名中、生死を確認していない23名を除いた688名のうち、死亡者は197名であった。代表的な血液生化学値であるアルブミン、ヘモグロビン、コレステロール値は有意に低下していたが、なお良好なレベルを維持していた。大宜味村は老夫婦や一人暮らし老人が多いが、高齢化が進につれ、ADLも低下していき、その傾向は前期老人よりも後期老人で顕著であり、また介護上のニーズも高まっていた。ADLの中でも「手段的自立」の項目は生活体力との関連が極めて強かった。自分の健康に関心のある者ほど高い生活体力を維持しているものが多く、また高齢者が日常生活の中で痂じ的役割を持つことは高い生活体力を維持していく上で重要と思われた。大宜味村では介護の必要な高齢者が在宅で生活を維持している者が多く、高齢者の生活体力の維持はこの村で生活していくためには重要な条件であると思われた。睡眠に関しては、睡眠健康の良好な高齢者ほど就床・起床時刻(睡眠相)の前進が見られず、良好な運動や短い昼寝、散歩習慣をもっており、また情緒的適応性も高く、身体的健康や精神的健康状態も良好であった。
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