本研究の目的は、痴呆症の早期発見のために用いた種々の検査方法の妥当性を検討することである。本年度は、調査項目の検討と、対象者へ調査依頼を実施した。調査対象者は60歳以上の在宅高齢者で、日常生活には支障のない者である。現在、約100名の者から調査および検査の同意を得ている。第1回目の調査は、平成9年4月に実施予定である。調査内容の概略は、次のとおりである。 1.問診(自記式調査票および面接問診)項目 既往歴、現在の健康状態、ライフスタイル、精神状態(鬱尺度)など 2.血液検査 動脈硬化度、アポリポ蛋白E4表現型など なお、アポリポ漂白E4表現型は、近年、遅発型アルツハイマー型痴呆の診断マーカーとして報告されているので、本研究でも検査項目として加えた。 3.高次脳機能、神経心理学的検査 ミニ・メンタルテスト(MMS)、Raven色彩マトリックス検査(RCPM)、仮名ひろいテストなど 4.体力指標 握力、大腿四頭筋筋力、柔軟性、敏捷性、全身反応、平衡能力(片足立ち)など
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