研究課題/領域番号 |
08457139
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
宮下 和久 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50124889)
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研究分担者 |
有田 幹雄 和歌山県立医科大学, 看護短期大学部, 教授 (40168018)
黒田 基嗣 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手
森岡 郁晴 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教授 (70264877)
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キーワード | 寒冷 / 循環機能 / 精神作業 / 作業関連疾患 / 快適作業環境 / クロー / カテコールアミン / 内田クレペリン検査 |
研究概要 |
初年度からの2年間は、基礎的実験および現場作業者から得られた循環機能変化と労働条件を総合的に検討したが、今年度は、寒冷作業による循環機能負担軽減のための作業条件、防寒条件のあり方を検討した。 具体的には、夏期および冬期のそれぞれの季節における寒冷に対する生体反応を検討した。その結果、冬期では寒冷に対する生体反応が大きく、総入庫時間の増加に伴って血圧やノルアドレナリンが増加する傾向にあったが、夏期では冬期ほど明確ではなかった。したがって、寒冷作業に対しては冬期の負荷がとりわけ大きいことが明らかになった。これは、倉庫内外の気温差が大きくなる夏期の方が影響が大きくなるとする仮説と逆の結果になっていた。 そこで、フード付きフォークリフトの運転室内の温度変化を測定し、作業環境の状況も併せ検討したところ、運転席での温度低下は、入庫後約5分で5℃と小さかった。さらに、冬期および夏期に衣服内温度を測定し、衣服条件を詳細に検討したところ、入庫と同時に衣服内温度は低下し、約10分で定常状態になった。この低下速度は冬期の方が早かった。 このような結果を踏まえて、作業環境や作業時の衣服に対する作業条件あるいは防寒条件を総合評価することによって、本研究の最終目標である冷凍倉庫内の寒冷作業のモデル化を試みた。具体的モデルとして、倉庫内外を出入りするフォークリフトにはフード付きを使用するようにし、冷凍倉庫内での作業時間を5分間以内に、衣服条件を2cloとする。モデル作業を現場作業者に実施させたところ、循環機能負担軽減の効果があることが示唆された。
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