研究課題/領域番号 |
08457142
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 国立環境研究所 |
研究代表者 |
兜 真徳 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 上席研究官 (00113481)
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研究分担者 |
影山 隆之 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 主任研究員 (90204346)
黒河 佳香 国立環境研究所, 環境健康部, 主任研究員 (30205231)
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キーワード | 睡眠覚醒リズム / 神経生理 / 不眠症 / 内分泌 / メラトニン / ストレス |
研究概要 |
初年度の本年度は、東京都I区において幹線道路沿道を含む地域で対象集団を設定し、その中からランダムに抽出した約1,500名の対象者について、睡眠覚醒リズムと不眠症に関する総合的な質問調査を行なった。また、回収率約50%で得られたアンケートデータの解析結果を用いて、類型化される睡眠パターンと質のカテゴリー別に2次調査の対象若干名を選び、睡眠、自律神経活動、内分泌代謝に関する他覚的パラメータ測定を含む総合的調査の予備的検討を行った。そのデータについては現在解析中である。なお、後者の予備的研究では、他覚的パラメータの測定として、体動をモニターするためのアクチメトリー、心電図のRR間隔から得られるパワースペクトル成分(特に脳波のデルタ成分と対応することが示されている超低周波成分に着目)、尿中及び唾液中のメラトニン、コルチゾール、カテコールアミン等の測定を行なっている。この予備調査に先立ち、別途、基礎的上記心拍間隔変動のパワースペクトル成分のうちの超低周波成分と脳波の徐波成分(深睡眠)との関連性について、20才代の8名の被験者を対象として基礎的検討を行った。実験は2日間とし、夜中の12時から朝8時までの8時間睡眠の日に続いて、次の日には夜間の睡眠を取らせず、その翌朝朝8時から昼12時までの4時間の睡眠を取らせた。上記超低周波成分は、いずれの日にも睡眠中の脳波から知られる睡眠段階が深くなるほど低下する傾向が認められた。同時にREM睡眠時には覚醒時と同じ高いレベルにあった。以上の実験結果は、心拍間隔変動の超低周波成分が脳波上の徐波成分(即ち深睡眠)を定量的に示すことが示しており、今後予定している脳波を用いることが困難な不眠症の疫学調査に利用可能であることが支持された。
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