• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1996 年度 実績報告書

兵庫県南部地震で多発した挫滅症候群患者における生体膜障害の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 08457147
研究種目

基盤研究(B)

研究機関神戸大学

研究代表者

龍野 嘉紹  神戸大学, 医学部, 教授 (80030831)

研究分担者 浅野 水辺  神戸大学, 医学部, 助手 (90283879)
内藤 猛章  神戸薬科大学, 教授 (00068339)
上野 易弘  神戸大学, 医学部, 助教授 (30184956)
足立 順子  神戸大学, 医学部, 助手 (40030887)
キーワード兵庫県南部地震 / 挫滅症候群 / 極長鎖脂肪酸 / 赤血球膜 / 膜障害
研究概要

兵庫県南部地震において発症し治療中のクラッシュ症候群患者のうち4例の赤血球膜をGC-MSを用いて調べた。4症例の圧迫時間は4時間から12時間で右又は左右下肢の圧挫傷を生じた。いずれも筋肉が高度に挫滅を受けていた。また、入院時の血液検査値のうちCPKは4例中3例が緊急の測定限界値(1973)を越え、GOT、GPTともに高値を示した。第1〜第3例は7週間後には正常に戻ったが第4例はLD,841;BUN,71;Cr,5.6で正常値よりかなり高く、重篤な浮腫、腎不全に陥り人工血液透析を施行されたが創部からの感染により敗血症となり多臓器不全で地震発生4ヶ月後に死亡した。患者試料中から出現した未知のピークのうち、A、B及びCの3つを検索した。保持時間は、A、B及びCの順に22.2分、33.8分と34.4分であった。マススペクトルをとると、Aはm/z292、Bはm/z376、Cはm/z410のフラグメントを有していた。天然に多く存在する末端から9位に二重結合を有する脂肪酸で炭素数26のもの、すなわちcis-17-hexacosenoic acidを合成しBの標準品とした。cis-11-eicosenoic acid及びhexacosenoic acid市販品を標準品とした。標準品と保持時間及び分子の開裂様式が一致したのでAはcis-11-eicosenoic acid(C20:1)、Bはhexacosenoic acid(C26:1)、そしてCはhexacosanoic acidは(C26:0)であると同定した。SIMを用いて定量すると兵庫県南部地震において発症したクラッシュ症候群患者の赤血球膜リン脂質中にC24:1、C26:1、C26:0等極長鎖脂肪酸の蓄積を認めた。

URL: 

公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi