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1997 年度 実績報告書

兵庫県南部地震で多発した挫滅症候群患者における生体膜障害の分子機構

研究課題

研究課題/領域番号 08457147
研究機関神戸大学

研究代表者

龍野 嘉紹  神戸大学, 医学部, 教授 (80030831)

研究分担者 浅野 水辺  神戸大学, 医学部, 助手 (90283879)
内藤 猛章  神戸薬科大学, 薬学部, 教授 (00068339)
上野 易弘  神戸大学, 医学部, 助教授 (30184956)
足立 順子  神戸大学, 医学部, 助手 (40030887)
キーワード兵庫県南部地震 / 挫滅症候群 / 血漿 / Nitrate / Nitrate / 腎機能
研究概要

兵庫県南部地震において発症したクラッシュ症候群患者29人の血漿中一酸化窒素(NO)を調べた。地震当日または翌日に大学病院に入院した患者でいずれも骨盤や下肢を挫滅し骨折を伴う例もあった。採血後ただちに4°Cで遠心し血漿を分離し、分析まで-80°Cで保存した。別にAST、ALT、LD、CK、BUN、Cr値を検査した。
メタノールで除蛋白した血漿を高速液クロのカラムに注入し、nitriteとnitrateを分離後還元カラムを通しnitriteにした。nitriteをGriess試薬と反応コイル中で混合させ、生じた色素の540nmにおける吸光度をう分光高度計で測定した。
患者を腎機能より2群に分けた。A群はBUNが21以上でCrが1.5以上の15人で挫滅症候群であると診断された。浮腫と急性腎不全が出現し、人工透析を7人に行った。3人は多臓器不全により死亡した。B群は残りの患者14人である。両群のほとんどすべての患者のCK値は1763(緊急検査の測定限界値)を越えた。NO代謝物の血漿中濃度を両群で比較すると、nitrateはA群の方がB群よりも有意に高値を示した。BUN値とNO代謝物(nitrite+nitrate)の合計の各患者ごとの値の間には、高度に相関があった。この結果はクラッシュ症候群においてはNOの合成が増加したか、あるいは腎機能低下によるNOの排泄遅延により、高いNO値が引き起こされた事を示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Atsuko Miwa: "Very long-chain fatty acid pattern in crush syndrome patients in the Kobe Earthquake" Clinica Chimica Acta. 258. 125-135 (1997)

  • [文献書誌] Junko Adachi: "Elevated plasma nitrate in patients with crush syndrome by the Kobe Earthquake" Clinica Chimica Acta. 269・2. 137-145 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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