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1996 年度 実績報告書

病変局所に集積しているT細胞クローンの抗原特異性の新しい決定法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 08457156
研究種目

基盤研究(B)

研究機関九州大学

研究代表者

山本 一彦  九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (80191394)

研究分担者 塩川 左斗志  九州大学, 生体防御医学研究所, 講師 (20215940)
江崎 一子  九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (40037453)
キーワードT細胞レセプター / PCR / SSCP / T細胞 / コラーゲン誘導関節炎
研究概要

自己免疫疾患、移植や癌など免疫が関与する疾患における病変局所には、その疾患に特徴的な抗原特異的T細胞が集積していると考えられ、それらの解析を通じて、将来的な抗原特異的免疫制御の方向が模索されている。しかし、実際の病変局所に集積しているT細胞の抗原特異性を効果的に調べる方法は、現在のところ確立されていない。この点で、我々は、T細胞レセプターのβ鎖遺伝子に注目し、RT-PCRとSSCP法を組み合わせることにより、リンパ球集団内に集積しているT細胞クローンを検出する方法を確立し、多くの免疫が関与する病変での、T細胞クローンの動態を報告してきた。そこで、本研究では、我々の確立したT細胞クロノタイプ検出システムのユニークな特徴を生かし、実際の病変局所に集積しているそれぞれのT細胞クローンの抗原特異性を決定する方法を確立することを目的とした。既に我々は、同一個体より得た、異なる時間、異なる場所の検体を同一の電気泳動ゲルにてSSCP解析した場合、同じ移動度を示すバンドのT細胞クローンは同一のTCR配列を持つ、同一のクローンであることを証明している。そこでこのシステムを用いて、可能性がある抗原分子全体または抗原ペプチドをリンパ球と試験管内で培養し、出現してくるT細胞クロノタイプと、すでに病変局所に集積しているT細胞クロノタイプの同一性を比較することで、実際の病変局所に集積しているT細胞クローンの抗原特異性を決定する方法を確立することを目指した。本年度はそのモデルとして、マウスにおけるコラーゲン誘導性関節炎を解析の対象とし、実際の関節病変に、コラーゲン特異的T細胞が集積していることを示すことに成功した。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Masuko,K.: "Stable clonal expansion of T cells induced by bone marrow transplantation" Blood. 87. 789-799 (1996)

  • [文献書誌] Ikeda,Y.: "High frequencies of identical T cell clonotypes in synovial tissues of rheumatoid arthritis patients suggest the occurrence of common antigen-driven immune responses" Arthritis Rheum.39. 446-453 (1996)

  • [文献書誌] Komagata,Y.: "Clonal prevalence of T cells infiltrating into the pancreas of prediabetic non obese diabetic mouse" Int.Immunol.8. 807-814 (1996)

  • [文献書誌] Yamamoto,K.: "Establishment and application of a novel T cell clonality analysis using single strand conformation polyinorphism of T cell receptor messenger signals" Hum.Immunol.48. 23-31 (1996)

  • [文献書誌] Tanaka,A.: "Clonotypic analysis of T cells infiltrating the skin of patients with atopic dermatitis:evidence for antigen-driven accum ulation of T cells" Hum.Immunol.48. 107-113 (1996)

  • [文献書誌] Nakajima,A.: "Specific clonal T cell accumulation in intestinal lesions of crohn′s disease" J.Immunol.(in press).

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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