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1997 年度 実績報告書

Helicobacter pylori感染と胃粘膜病変発生の関連性について-胃癌との関わりを中心に-

研究課題

研究課題/領域番号 08457158
研究機関北海道大学

研究代表者

浅香 正博  北海道大学, 医学部, 教授 (10113507)

研究分担者 加藤 元嗣  北海道大学, 医学部附属病院, 助手 (60271673)
キーワードH.pylori / 腸上皮化生 / 胃炎 / 胃癌 / Cag A gene
研究概要

Helicobacter pylori(H.pylori)は1983年オーストラリアのMarshallらによってヒト胃粘膜より発見されたグラム陰性の細菌であり、その後の研究により、本菌と胃炎、消化性潰瘍との関わりが、明らかになってきている。本菌を経口摂取すると数日後に上腹部痛が生じ、内視鏡で観察すると急性胃炎の所見が認められることが証明されている。また、本菌がそのまま持続感染を継続していくと萎縮性胃炎や一部は腸上皮化生に至り分化型の胃癌を引き起こす可能性が高いことが明らかになってきた。
しかし、最も重要なH.pyloriの細胞障害性の本態とその菌種による毒性の相違につ“Slow bacterial infection"といわれているH.pyloriの細胞障害性について種々のサイトカインやその遺伝子レベルでの検討がこれまで不十分であったため、本年度はこの分野の研究を行った。これまでの研究では、H.pyloriの毒性は本菌の産生する高いウレアーゼ活性に基づいて発生するアンモニアによるものと解釈されてきた。われわれのin vitroにおけるデータもそれを支持するものであった。
最近になって、本菌の主たる細胞障害作用は、本菌の感染によって胃粘膜に誘導される白血球やサイトカインとの関わっていることが強調されるようになってきた。確かに、H.pyloriの誘導する白血球浸潤とサイトカインの関わりについては興味は持たれているが、十分な因果関係は証明されていない。われわれの研究によって種々の胃疾患の胃粘膜においてIL-6、TNF-aなどの炎症性サイトカインのみならず、IL-8など白血球浸潤と関わりのあるケモカインとも密接な関わりが示唆された。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 加藤元嗣: "Helicobacter pylori除菌療法の現状" 医学のあゆみ. 183. 418-419 (1997)

  • [文献書誌] 加藤元嗣: "耐菌性の出現とその対策" Helicobacter Research. 1. 459-465 (1997)

  • [文献書誌] Sakiko Mitani: "Studies on gastric mucosal cell injury induced by Helicobacter pylori." J.Clin Gastroenterol.25. S164-168 (1997)

  • [文献書誌] Masaki Katagiri: "Increased cytokine production by gastric mucosal in patients with Helicobacter pylori." J.Clin.Gastroenterol.25. S211-214 (1997)

  • [文献書誌] Msahiro Asaka: "What role dose Helicobacter pylori play in gastric cancer?" Gastroenterology. 113. S56-60 (1997)

  • [文献書誌] Masahiro Asaka: "Review article:Long-term Helicobacter pylori infection-from gastritis to gastric cancer." Alment Pharmacol.Ther.12. 9-15 (1998)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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