1)主要組織適合抗原クラスI(MHC class I)遺伝子発現調節機構能の解析 ヒト株化培養肝細胞において、 (i)胆汁酸で活性化されるプロテインキナーゼCアイソフォームを推定した。 (ii)胆汁酸によってMHC class I遺伝子プロモーターの誘導が起こることを明らかにした。現在、論文投稿準備中である。 2)ウルソデオキシコール酸の免疫調節作用機構の解明 ウルソデオキシコール酸によるステロイドホルモン受容体の翻訳後修飾機構に関する研究が進展している。特に、green fluorescent proteinを用いた受容体の細胞内局在に関する実験系の整備が果たした役割が大きい。すでに、ウルソデオキシコール酸が作用する領域を特定し、転写共役因子と受容体との相互作用に関する解析も進展している。かかる成果は世界的にも画期的であり、今後のステロイドホルモン受容体を標的とした創薬に多大な影響を与える可能性がある。
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