研究課題/領域番号 |
08457174
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 慶応義塾大学 |
研究代表者 |
三浦 総一郎 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (50138012)
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研究分担者 |
重松 武治 慶應義塾大学, 医学部, 助手 (10245483)
芹澤 宏 北里研究所, 付属病院内科, 医員 (60187870)
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キーワード | 腸粘膜 / Tリンパ球 / 抗原 / パイエル板 / Con A(Concanavalin A) / 血管内皮 / リンパ球 migration |
研究概要 |
腸粘膜のリンパ球は、同一部位に留まるのでは無く、管腔よりの刺激を受けた腸粘膜のリンパ球は腸管リンパを経て体循環へ運ばれ再びPeyer板より腸壁へ戻るrecrciulationを繰り返している。申請者らはPeyer板への抗原特異的に刺激を受けたTリンパ球のhomingに焦点をあて定量的に解析することとした。平成8年度はその基礎データとして、Concanavalin A(Con A)により非特異的に刺激を受けたリンパ球が、ナイーブなリンパ球のそれと比べてどのように異なるかにつき検討した。ラット回腸部Peyer板を麻酔下に恒温槽を装着したステージ上に展開し、蛍光顕微鏡下に観察した。腸管リンパより分離したTリンパ球をin vitroで蛍光プローベcarboxyfluorescein succinidimly ester(CFSE)を用いて標識し、recipientに投与しPeyer板のpost-capillary venule(PCV)への接着および腸間膜リンパ節、脾臓、肝臓へのmigrationの様相を検討した。 1。頚静脈より注入した刺激を受けていないTリンパ球は、30分かけ徐々にパイエル板のPCVへと接着してゆく。その後90分の間に血管内皮を通過して(transendothelial migration),やがて180分の間に間質内へmigration(interstitial migration)した。 2。ConAにより刺激を受けたTリンパ球は、ナイーブなそれと異なり、パイエル板への血管内皮への接着は著しく低下したいた。しかし、その後のtransendothelialおよびinterstitial migrationへのプロセスは大きい変化を来さなかった。 3。同様に腸間膜リンパ節や脾臓へのConA刺激を受けたリンパ球のmigrationは低下していた。しかし、肝臓へのそれは逆に増加していた。 以上の検討より、刺激されたリンパ球はナイーブなそれと異なる血管内皮とのinteractionを示すが、その変化は臓器によりheterogeneityがあることが、示された。
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