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1996 年度 実績報告書

増殖期消化管細胞の物理化学的刺激に対する応答性解析-物理集学的癌治療法の解析

研究課題

研究課題/領域番号 08457175
研究種目

基盤研究(B)

研究機関順天堂大学

研究代表者

佐藤 信紘  順天堂大学, 医学部, 教授 (90028358)

研究分担者 広瀬 美代子  順天堂大学, 医学部, 助手 (70266039)
大井手 弘純  順天堂大学, 医学部, 講師 (80223725)
三輪 洋人  順天堂大学, 医学部, 講師 (80190833)
渡辺 純夫  順天堂大学, 医学部, 助教授 (20138225)
キーワード細胞遊走 / 細胞増殖 / Apoptosis / Helicobacter pylori / 胆汁酸 / アルコール / ラジカル / 損傷修復
研究概要

消化管細胞の物理化学的刺激に対する応答能を解析するために既報の胃粘膜損傷修復モデルを用いて各種の検討を行った。物理的刺激としては温度についてSV-40Large T antigenをtransfectしたラットより作成した胃粘膜上皮細胞株を用いた損傷修復モデルを用いて解析を行った。その結果によると33度の低温環境下では損傷の修復は主に細胞増殖により起こり39度の高温環境下では主に細胞により修復が惹起されることが明らかになった。また、37度環境下においては遊走と増殖により修復が起こることが明らかになった。化学的刺激としては、胆汁酸、アルコール、過酸化水素などを添加し修復の抑制が起こることを明らかにした。さらに、胃粘膜傷害及び胃発癌の重要な因子として注目されているHelicobacter pylori(Hp)の胃粘膜への傷害機序及び傷害修復機序への関与を解析するために初代培養胃粘膜細胞を用いた定量的損傷修復モデルを用いて解析した。実験にはcagA遺伝子、vacA遺伝子ともに陽性のHp株及び両遺伝子とも陰性のHp株より水抽出液を作成し初代培養胃粘膜細胞修復モデルに添加して、修復過程への影響を定量的に検討した。胃粘膜の損傷修復は両方の株で修復の遅延が明らかに惹起された。両者に有意差はみられなかった。vacA遺伝子陽性株より作成した抽出液は胃粘膜上皮細胞に直接作用し細胞内に空胞形成を惹起した。この際上皮細胞の中でも特に壁細胞に著明な変化を引き起こした。この空胞形成は濃度依存性、時間依存性であった。また、この修復モデルにおいて脱分化して盛んに遊走する損傷周囲の細胞は上記の様な物理化学的な刺激により容易にapoptosisを惹起することが明らかになりこのような刺激の繰り返しが発癌の一つの要因となる可能性を示唆した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Sato N,Watanabe S,et al.: "Inhibition of rabbit gastric epithelial restoration by a water extract of Helicobacter pylori : evidence using a cultured cell model." Inflammopharmacology. 4・4. 341-349 (1996)

  • [文献書誌] Kobayashi O,Watanabe S,et al.: "Effects of transforming growth factors on the wound repair of cultured rabbit gastric mucosal cells." J Gastroenterology and Hepatology. 11. 129-136 (1996)

  • [文献書誌] Hirose M,Watanabe S,et al.: "A new function of Ito cells in liver morphogenesis : evidence using a novel morphogenic protein,in vitro" Biochemical & Biophysical Research Communications. 225・1. 155-160 (1996)

  • [文献書誌] Watanabe S,Wang XE,et al.: "Platelet-derived growth factor accelerates gastric epithelial restoration in a rabbit cultured cell model." Gastroenterloogy. 110. 775-779 (1996)

  • [文献書誌] Murai T,Watanabe S,et al.: "Ethanol retards gastric epithelial restoration in monolayer cultures." Digestive Diseases and Sciences. 41・10. 2062-2069 (1996)

  • [文献書誌] Sato N: "First-pass metabolism of ethanol : An overview" Gastroenterology. 111・4. 1143-1144 (1996)

  • [文献書誌] Sato N,Tsuji S,Kawano S: "Tissue Perfusion and Organ Function ischemia/Reperfusion injury." Kamada T et al (eds). ELSEVIER (Amsterdam), 23 (1996)

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公開日: 1999-03-08   更新日: 2016-04-21  

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