研究概要 |
本年度に以下の実験を施行した。 覚醒時緬羊の気道グルタチオン(GSH)に対する1/2selectary leukoprotease inhibitor(SLPI)の効果 1/2SLPI(TEI-7361)の静脈内投与が覚醒時緬羊の肺リンパ液および気管支洗浄液(BEF)、血漿のGLU濃度に及ぼす効果を検討するために、体重25-35kgの緬羊にあらかじめ肺リンパ瘻、気管切開、静脈カニュレーションをおこない、覚醒時に以下の実験をおこなった。 測定サンプルは生食50mlを気管支鏡から注入し回収することによるBEF、血漿、および肺リンパ液中である。 TEI-7361,15mg/kg(n=7)あるいは生食(n=3)を10分で静脈内投与し、2、4、6時間後にサンプルを採取し-80度に凍結保存した。後日GSHを還元型GSHの形で総量を算出した。 結果は以下のようである。TEI-7361投与群では、前、投与2、4、6時間後のBEF中のGSH濃度は各々1.2±0.8,0.4±0.1,0.4±0.2,0.3±0.1μg/mlであり、有意差はなかった。血漿では各々、0.3±0.07,0.3±0.02,0.3±0.03,0.3±0.04μg/mlであった。肺リンパ液では、各々、0.3±0.07,0.2±0.03,0.2±0.03,0.2±0.02μg/mlであり、血漿および肺リンパ液中も同様に有意差はなかった。以上より、1/2SLPIはSLPIでみられたようなGSH上昇作用はないものと思われた。
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