研究課題/領域番号 |
08457183
|
研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
安藤 正幸 熊本大学, 医学部, 教授 (00040204)
|
研究分担者 |
山崎 寿人 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (00271130)
菅 守隆 熊本大学, 医学部, 助教授 (20154437)
|
キーワード | 夏型過敏性肺炎 / Trichosporon / PCR / 気管支肺胞洗浄液 / エア-サンプラー |
研究概要 |
Trichosporonに特異的なプライマーを作成し、PCR及びサザンハイブリダイゼーションを用いて、Trichosporonを遺伝子レベルで高感度に検出する方法を確立した。これにより、 1.Trichosporonの菌体を経気管支的に投与したマウスの気管支肺胞洗浄液においてTrichosporonが経時的に減少してゆくことが示唆された(抗原の動態の解析)。 2.夏型過敏性肺炎の患者の気管支肺胞洗浄液から高率にTrichosporonのDNAが検出された。一方、コントロール群においてはその検出率は低かった。陽性率は夏型過敏性肺炎患者で約94%、その他の疾患や健常人では20%前後と有意差が見られた。 3.夏型過敏性肺炎患者の喀痰からもTrichosporonのDNAが検出された(慢性例の解析)。 4.新たな試みとして、夏型過敏性肺炎患者宅において、エア-サンプラーにより塵埃を集めて蒸留水で洗い、その洗浄液をPCR・サザンハイブリダイゼーションで検索したところ、TrichosporonのDNAが陽性であった。このような試みはこれまで例がなく、予防医学的な見地からも非常に意義の高いものである。 更に、制限酵素処理やシークエンス解析から、これまで困難であった近縁のCryptococcus neoformansとの明らかな鑑別が可能となった。 以上の結果は、近年社会医学において問題となっている家屋内真菌による感染・アレルギー・非特異的炎症の発症機構の解明に役立つものと考えられる。
|