研究課題/領域番号 |
08457191
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山田 猛 九州大学, 医学部, 講師 (50230462)
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研究分担者 |
長野 祐久 九州大学, 医学部, 医員
古谷 博和 九州大学, 医学部, 助手 (60253415)
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キーワード | 副腎白質変性症 / AJD / ALDP / ノックアウトマウス / 極長鎖脂肪酸 / β酸化 / 遺伝子治療 / レトロウイルスベクター |
研究概要 |
副腎白質変性症(ALD)遺伝子(ALDP)ノックアウトマウスの生化学的および病理学的解析を行った。ノックアウトマウスの脳、脊髄、肺、腎ではALDPは欠損しており、一方ALDPのhomologであるPMP70は肝、肺、腎では正常に発現しており、ノックアウトマウスでPMP70の発現が代償性に増加していることはなかった。極長鎖脂肪酸(VLCFA)の分析では、C26:0が脳、脊髄、肝、腎で正常マウスの1.7〜3.2倍に増加していた。培養肝細胞および胎児線維芽細胞におけるVLCFAのβ酸化活性は正常の35〜50%に低下していた。光学および電子顕微鏡を用いた脳脊髄の病理学的検索を行ったが、生後1年までには脱髄などの病理学的変化を検出できなかった。したがってわれわれの作成したALDPノックアウトマウスは、ALDの生化学的モデルとして有用であると考えられる。またノックアウトマウスで病理学的変化が認められなかったことは、VLCFAの蓄積のみでは神経系の脱髄を引き起こすには不十分であり、他の因子が必要と考えられた。 遺伝子治療法の開発のため、ALDPcDNAをMFGレトロウイルスベクターに組み込み、ψcre細胞を用いて組み換えウイルスを作成した。組み換えウイルスをNIH3T3細胞に感染させたところ、ALDPの発現が認められ、ALDP発現ベクターとして使用できることが確認された。現在、ψCLIP細胞を用いて、高力価組み換えウイルス産生細胞を作成中である。
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