研究概要 |
目的:Laminin-2欠損先天性筋ジストロフィーでは末梢神経の髄鞘形成不全が認められる.髄鞘形成におけるlamininの役割を検討するために,末梢神経におけるlaminin結合蛋白の検討を行った. 方法:ウシ末梢神経より蛋白を抽出し.lamininのよるblot overlay法によりlaminin結合蛋白を同定した. 結果:ウシ末梢神経中に分子量30KDaの新たなlaminin結合蛋白(LBP30)を見い出した.LBP30はph12,0.5M Naclでは可溶化されるが2%Tritonでじゃ可溶化されなかった.LBP30はlaminin-1とlaminin-2の両者と結合した.またLBP30はheparinカラムに強い結合を示し,LBP30とlamininとの結合はhaparin,heparan sulphateにより完全に抑制された.免疫組織学ではLBP30はendoneuriumとperineuriumにlamininとほぼ一致した分布を示した. 結論:LBP30は末梢神経に存在するlamininとheparinに結合する蛋白で、生体内ではlamininとheparan sulphate proteoglycanとの結合をmodulateしている可能性が推測された。
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