研究概要 |
脊椎動物胸腺には骨格筋様細胞が存在するが、重症筋無力症との観点から、注目されるのみで、その生物学的意味は不明のままであった。我々は本細胞の持つ生物学的特徴を検討するため、ラット胸腺よりこれをクローン化し、80k,100kの二種のモノサイト系細胞増殖因子を同定した。アミノ酸配列を決定したところ、これらの二因子は既存のモノサイト系増殖因子、GM-CSF,M-CSFとも、相互にも全く異なる新規因子であることが判明した。現在両因子産生胸腺筋様細胞から定法に従いmRNAを調整し、cDNAライブラリーを作製し、遺伝子のクローニングを行っている。両因子ともそれぞれファミリーを形成する蛋白の一員で、二因子ともアミノ酸配列を決定できた部位は、これらファミリーに共通した配列が大部分で、我々の因子固有の配列の情報が少ない。このため、数多くのクローンより活性のある因子の遺伝子クローニング継続して行っている。
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