研究課題/領域番号 |
08457198
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
神経内科学
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研究機関 | 国立精神・神経センター |
研究代表者 |
田平 武 国立精神・神経センター, 神経研究所・神経研究所疾病研究第6部, 部長 (80112332)
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研究分担者 |
小西 吉裕 川崎医科大学, 神経病理学, 講師 (90170290)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | サイトカイン / インターロイキン-3 / IL-3 / 神経栄養因子 / IL-3受容体 / IL-3受容体関連抗原 / コリン作動性神経細胞 |
研究概要 |
モノクロナール抗体F9が認識するとされているインターロイキン3(IL-3)受容体関連抗原(IL-3RAA)のcDNAをクローニングし、IL-3RAAを強く発現している神経細胞でのIL-3情報伝達機構を明らかにし、神経系でのIL-3の栄養作用の特性を理解し、アルツハイマー病での意義を調べるのが本研究の目的である。 IL-3RAAは、中枢神経系において、神経細胞に広範に分布し、我々が報告したIL-3が神経栄養因子として作用するコリン作動性神経細胞も強く発現している一つである。これは、IL-3受容体のα、β鎖とは異なり、しかもF9はチロシン、リン酸化IL-3受容体をむしろ強く認識する。IL-3RAAは、リガンドと直接結合する受容体本体でなく、結合後の細胞内シグナル伝達の極初期に関係する物質と推測される。 マウス、コリン作動性神経細胞株SN6をIL-3で刺激後、膜成分を抽出して、F9と反応する約45kDaの蛋白質を精製し、2カ所の部分アミノ酸列を決定した。これらのアミノ酸配列から、オリゴメクレオチドプライマーを作成し、SN6のmRNAをtemplateとしたRT-PCRでcTNAを増巾後、内側に位置するプライマーで更にnested PCR増巾した。得られたDNA断片をTベクター、pUC18に挿入してクローニングし、DNA塩基配列を決定した。5種類のcDNA断片が得られ、シークエンスしたところ、1部は既知遺伝子であるが、残る未知のDNAの全長のアミノ酸配列を決定中である。 既知遺伝子でないcDNAクローンをプロープとして、SN6のmRNAのノーザンブロット解析を行うと、確かに1.6kbと3.0kbのmRNAを検出できる。そのうちの3kbは脳に特異的に発現している。
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