研究課題/領域番号 |
08457219
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
土屋 滋 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (30124605)
|
研究分担者 |
藤江 弘美 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (60282000)
峯岸 正好 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (20211592)
今野 多助 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (00004846)
|
キーワード | Wiskott-aldrich症候群 / WASP / 遺伝子診断 / 保因者診断 / マウス抗WASP単クローン抗体 |
研究概要 |
1.Wiskott-Aldrich症候群におけるWASP遺伝子変異 4症例の遺伝子解析を施行した。症例1及び症例2は第1エクソンにてG1塩基欠失のためフレームシフトを生じ、症例3は第2エクソンでのナンセンス変異(TAC→TAA),症例4は、第10エクソンでのナンセンス変異(CGA→TGA)を同定した。 2.Wiskott-Aldrich症候群保因者診断 症例1と2はPCR-SSCP法、症例4はXho消化にて保因者診断が可能であった。その結果母親はいずれも保因者,また女性同胞の計4名も保因者であった。 3.ノーザンブロット法によるWASPmRNAの検出 正常人末梢血では単核球、顆粒球分画共にmRNAの発現を見たが、患者ではいずれも非常に弱い発現量であった。白血病細胞株やリンパ芽球様細胞株では、患者由来の細胞株以外には検索した限り全ての細胞株に発現を見た。 4.ウェスタンブロット法によるWASP蛋白発現の検討 pET-WASPによる融合蛋白を試験管内で作成し精製後、ウサギに免疫しポリクローナル抗体を作成した。得られた抗体をアフィニティーカラムで精製し、ウェスタンブロットを行った。培養細胞株や健常者由来単核球分画では約55kDaの陽性バンドを検出したが、患者には同サイズの蛋白の発現は認められなかった。 5.骨髄移植症例でのWASP発現の検討 症例1に対して非血縁者間の骨髄移植を施行した。移植後6ヶ月での末梢血単核球分画にWASPの発現がmRNAt蛋白レベルで確認した。 6.WASPに対する単クローン抗体の作成 ウサギ抗体と同様の抗原を使用し、WASPに極めて特性の高いマウス単クローン抗体を作成した。今後この抗体によりさらに詳細なWASP機能の解析を進めて行く。
|