研究課題/領域番号 |
08457224
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
三池 輝久 熊本大学, 医学部, 教授 (90040617)
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研究分担者 |
木村 重美 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (60284767)
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キーワード | ジストロフィン / 標的遺伝子組み換え / トランスジェニックマウス / プロモーター / 発現調節制御機構 / lacZ / 遺伝子治療 |
研究概要 |
私たちはジストロフィン(dy)の発現制御機構を知ることによりその生理学的役割を知る手掛かりにしようと考えている。その方法としてまず標的遺伝子組み換え法を用いてこれまで既に知られている筋型、脳型のノックアウトマウスを作成する。更にdy発現制御機構を明らかにし平滑筋におけるdyの機能を知るための検索を行いたいと考えている。1)標的遺伝子組み換え法によるdy欠損マウスの作成は既に筋型では日本、アメリカで成功しておりmdxマウスと同様に症状の進行が認められないことが知られている。この数年にわたり脳型dyの標的遺伝子組み換え動物モデルの作成に取り組んできたが未だ成功していない。2)レポーター遺伝子lacZを用いたトランスジェニックマウス作成によるdy発現・調節機構の検討は筋型dyプロモーター領域の解析を中心として進行しており興味ある結果を得ている。まずマウス筋型dyのexon 1より上流900bpでは右心特異的にdy発現を制御しているが観察され、更にヒトdy遺伝子100bpにkacZを繋いだトランスジェニックマウスでもほぼ同様の結果を得た。この結果は骨格筋、平滑筋、右および左心筋でそれぞれに発現様式が異なっていることを示唆するものである。(Dev Growth Different : in press)現在7.5kbにlacZを繋ぎトランスジェニックマウスを作成し検討しているが左心室心筋および大血管にその発現が観察され筋型exon 1の上流7.5kbは左心室心筋と血管平滑筋のdy発現制御に関わることが示唆されている。脳型dyの発現機構に関してはexon 1上流2.1kb部位にlacZを繋いだトランスジェニックマウスの分析を行い脳皮質のニュウロンに選択的に発現しており海馬の神経細胞には発現が見られないことを観察している。(J Neurol Sci:in press) 最近DMDの死因の一つとして肺血管の梗塞が注目されその背景として血液凝固系の亢進状態が上げられている。一時的には血管平滑筋のdy欠損による血管機能の低下が潜んでいる可能性が目され始めている。そこで今後の方向として血管平滑筋のdyノックアウトマウスを作成する、あるいはmdxマウスの血管にdy導入するなどの研究はdyの生理機能を明らかにすると共に臨床的な治療にむけての大きな情報源となるであろう。
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