研究概要 |
本年度は猫眼症候群染色体領域(CER:1.9Mb)について以下の成果を得た。 当研究室で独自に作成した猫眼症候群マーカー染色体特異的コスミドライブラリー(約9,200クローン、重複度:10)とヒト全ゲノムBAC(Bacterial Artificial Chromosome)ライブラリー(約100,000クローン、平均長:110kb、重複度:3.2)を材料に、フィンガープリント法およびベクトレット法を用いてBAC/コスミドコンティグの構築を進めた。その結果、現在までにBAC33クローンとコスミド26クローンからなる6群のコンティグを得ている。それらの全長は1.3Mbのゲノム領域をカバーしており、最大のものは400kbの長さを持つ。それらのコンティグのクローンは既にゲノミックシーケンシングを開始した。コスミド1クローン(clA3)については、36,226塩基対の配列を完全に決定した。さらに、BAC3クローン(b556G11、b7G2、b387G2)についてもほぼシーケンシングを完了している。それら4クローンの塩基配列のコンピュータ解析(BLASTによる相同性検索とXGRAILによるエキソン予測)により多数の遺伝子候補配列を得ており、それらの情報を用いてcDNAの同定・分離を進めている。他にBAC5クローン、コスミド5クローン、PAC1クローンについてもシーケンシングを進めている。また、CER全域をカバーするためにBAC/コスミドコンティグの延長も併せて進めている。
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