研究課題/領域番号 |
08457234
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
田上 八朗 東北大学, 医学部, 教授 (60026911)
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研究分担者 |
船山 道隆 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (90292333)
高橋 和宏 東北大学, 医学部・附属病院, 助手 (20226822)
照井 正 東北大学, 医学部・附属病院, 講師 (30172109)
相場 節也 東北大学, 医学部, 助教授 (80159269)
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キーワード | 乾癬 / 補体 / サイトカイン / ケラチノサイト / 角層 / 走化性 / 樹状細胞 / ケモカイン |
研究概要 |
今年度の研究により、次の点が明らかとなった。 1 乾癬病変部においては、細胞性免疫反応に基づく自己免疫反応がおきていることが想定されている。上気道感染や皮膚の病原細菌感染が病変の増悪につながることが良く知られている。そこで、免疫反応における細菌毒素の免疫系の活性化の機序を解析し、末梢血から樹立したヒト樹状細胞に対する種々の細菌毒素(LPS,SEA,SPEA)の影響を観察した。その結果、これら細菌毒素は樹状細胞のCD86分子の発現を増強し、抗原提示活性を増強することを明らかにした。乾癬の治療薬のなかでは、デキサメサソンに樹状細胞の活性化を抑制する作用が認められたが、シクロスポリン、レチノイド、活性型ビタミンD3には、その活性を認めなかった。 2 角層下膿庖内および表皮内、ならびに真皮上層の浸潤細胞を掌蹠膿疱症と膿疱性乾癬とで、免疫組織科学的に観察した。膿疱内には、Tリンパ球、樹状細胞はほとんどみられず、角層近傍に多数集まっている白血球がHLA-DRを発現していること、CD4T細胞は周辺の表皮あるいは真皮上層に多数存在することを見いだした。 3 角層表面に補体C3biが付着し、そこに接着し活性化された白血球はいくつかの単球走化性因子を放出する。ある程度のMip-1alpha、MIP1betaに加えて、別の因子の存在が認められた。この因子は既知のMip-1alpha、MIP1beta、MCP-1など10kDの分子量をもつ既知のケモカインよりも大きな物質であることが確かめられた。
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