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1997 年度 実績報告書

アレルギー炎症修復過程におけるヒト培養肥満細胞と線維芽細胞の相互作用及びその制御

研究課題

研究課題/領域番号 08457235
研究機関群馬大学

研究代表者

宮地 良樹  群馬大学, 医学部, 教授 (30127146)

研究分担者 黒沢 元博  群馬大学, 医学部, 講師 (10170119)
石川 治  群馬大学, 医学部, 助教授 (90168188)
キーワードアレルギー炎症 / ヒト肥満細胞 / 線維芽細胞 / リモデリング
研究概要

気管支喘息にみられる基底膜下肥厚部におけるコラーゲン沈着は、慢性の気道炎症による線維芽細胞の介在したリモデリングである可能性が指摘されている。皮膚においても、アトピー性皮膚炎にみられる遅発型アレルギー反応による好酸球性組織障害が病態の難治化、遷延化に重要な役割を果たすことが判明してきた。このようなアレルギー炎症の組織修復過程においては、線維芽細胞、肥満細胞、好酸球、マクロファージなどが参画すると考えられる。
これらの機序の一側面を検討するため、ヒト培養線維芽細胞とヒト培養肥満細胞を用いた検討を行なった。その結果、肥満細胞との共生培養において線維芽細胞の増殖能は亢進したが、I型コラーゲン産生量は不変であった。また、肥満細胞をIgEで刺激すると線維芽細胞の増殖能は著明に亢進した。他方、肥満細胞由来のメディエーターは線維芽細胞の増殖能、I型コラーゲン産生量および細胞外マトリックスに対し様々に作用した。
本検討結果を総合すると、皮膚炎症のリモデリングと繊維化疾患に、肥満細胞およびそのメディエーターが関与することが示唆された。最近の研究ではヒト肥満細胞は顆粒内メディエーターのみならず、サイトカインを分泌することが明らかにされた。線維芽細胞や細胞外マトリックスの機能にサイトカインが関係することは広く知られている。今後はヒト肥満細胞が分泌するサイトカインの側面からヒト肥満細胞とヒト線維芽細胞の相互作用を検討することにより、皮膚炎症のリモデリングと繊維化の機序の解明が進むものと期待される。

  • 研究成果

    (8件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (8件)

  • [文献書誌] Yoshiki Miyachi: "Mast cells in clinical dermatology" Australas J Dermatol. 39. 14-18 (1998)

  • [文献書誌] Hiroo Amano: "Possible mechanisms of the concentration-dependent action of substance P to induce histamine release from rat peritoneal mast cells and the effect of extracellular calsium on the mast cell activation." Allergy. 52. 215-219 (1997)

  • [文献書誌] Hiroo Amano: "Inhibition of substance P-induced histamine release from rat peritoneal mast cells by ultraviolet light B irradiation : Decreased intracellular calsium as a partial mechanism." Clin Exp Allergy. 27. 966-971 (1997)

  • [文献書誌] Motohiro Kurosawa: "Heterogeneity of mast cells in mastocytosis and inhibitory effects of ketotifene and ranitidine on the mediators in an indolent systemic mastocytosis." J Allergy Clin Immumol. 100. S25-S32 (1997)

  • [文献書誌] Motohiro Kurosawa: "Response to cyclosporin and a low dose of methylpredonisolone in aggressive systemic mastocytosis." J Allergy Clin Immunol. (1998)

  • [文献書誌] Motohiro Kurosawa: "Nerve growth factor release in parallel with mast cell-derived mediators in a patient with systemic mastocytosis after middle-wave ultraviolet light irradiation." J Allergy Clin Immunol. (1998)

  • [文献書誌] 宮地良樹: "コンセンサス・ト-ク アトピー性皮膚炎" 先端医学社, 154 (1997)

  • [文献書誌] 宮地良樹: "かゆみQ&A" 医薬ジャーナル社, 131 (1997)

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公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

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