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1998 年度 実績報告書

肺癌の放射線治療による局所制御に関連する因子の免疫組織化学的・臨床的検討

研究課題

研究課題/領域番号 08457237
研究機関群馬大学

研究代表者

新部 英男  群馬大学, 医学部, 教授 (90008293)

研究分担者 斉藤 吉弘  群馬大学, 医学部, 講師 (50170543)
長谷川 正俊  群馬大学, 医学部, 講師 (50251111)
早川 和重  群馬大学, 医学部, 講師 (70114189)
キーワード肺癌 / 非小細胞肺癌 / アポトーシス / 放射線治療 / 放射線感受性 / がん関連遺伝子 / 免疫組織化学 / タキソール
研究概要

1. 放射線誘導アポトーシスと関連する遺伝子(産物)の免疫組織化学的検索
ヌードマウス可移植腫瘍を用いた実験結果からは,照射後6時間で採取した組織中に出現するアポトーシスの頻度が高い腫瘍の放射線感受性は高く,頻度の低い腫瘍の放射線感受性が低いことを明らかにした.しかし,検索した範囲内での癌関連遺伝子の発現とアポトーシスならびに放射線感受性とには明らかな関連性を認めることはできていない.p53の発現とアポトーシスとの関係で,p53に依存するアポトーシスが誘発される腫瘍もあるので,放射線治療開始前のp53の検索が照射効果の先行指標となりうる可能性が示唆された.とくに,上衣芽腫では,照射によって野性型p53が発現し,ひきつづきアポトーシスが誘導されることがわかった.
2. 腫瘍の病理組織学的所見・アポトーシス関連遺伝子蛋白の発現と照射効果との関連性の検討
放射線治療を主体に治療を行った非小細胞肺癌36例を対象として,照射前に採取された生検組織標本を用いてp53蛋白の免疫組織染色を行い,p53蛋白発現の有無と照射効果,生存率との比較を行った.その結果,p53蛋白発現が陰性の症例は陽性例にくらべ有意に照射効果が良好で,生存率も延長する傾向が認められ,p53蛋白の染色性の有無が照射効果の先行指標となる可能性が示唆された.
3. 抗癌剤の放射線増感剤としての作用機序:放射線誘導アポトーシスを指標とした放射線の増強効果について
新しい抗癌剤であるTaxolと放射線との併用効果をin vitroの系で,同一起源であるが放射線感受性の異なる2種類の腫瘍を用いて検索した範囲では,薬剤の併用によりアポトーシスの頻度が増加しても,放射線感受性は相加効果の域を超えていなかった.しかし,低感受性の腫瘍では併用による利益が期待された.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] Hayakawa,K.: "Radiotherapeutic management of brain metastases from breast cancer" Breast Cancer. 5(2). 149-154 (1998)

  • [文献書誌] Saito,Y.: "Prognostic value of pretreatment serum carcino-embryonic antigen and squamous cell carcinoma antigen levels for patients with stageI-III non-small cell lung cancer treated with radiation therapy alone" Int J Clin Oncol. 3(1). 27-30 (1998)

  • [文献書誌] Hayakawa,K.: "Radiation therapy for elderly patients with limited non-small cell lung cancer" J Jpn Soc Ther Radiol Oncol. 10(3). 223-228 (1998)

  • [文献書誌] Furuta,M.: "Malignant neuroendocrine tumor presenting a huge mediastinal mass controlled with radiation therapy" Lung Cancer. 22(1). 55-58 (1998)

  • [文献書誌] Mitsuhashi,N.: "Clinical FDG-PET in diagnosis and evaluation of radiation response of patients with nasopharyngeal tumor" Anticancer Res. 18(4B). 2827-2832 (1998)

  • [文献書誌] Hayakawa,K.: "The prognostic significance of immunohistochemically detected p53 protein expression in non-small cell lung cancer treated with radiation therapy" Anticancer Res. 18(5B). 3685-3688 (1998)

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公開日: 1999-12-11   更新日: 2016-04-21  

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