研究課題/領域番号 |
08457240
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
酒井 邦夫 新潟大学, 医学部, 教授 (20018378)
|
研究分担者 |
大久保 真樹 新潟大学, 医療技術短期大学部, 助手 (10203738)
杉田 公 新潟大学, 医学部付属病院, 助手 (60216314)
伊藤 猛 新潟大学, 医学部, 助手 (20240773)
末山 博男 新潟大学, 医学部付属病院, 講師 (80115039)
藤田 勝三 新潟大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (90080100)
|
キーワード | 放射線治療 / 食道癌 / 5-FU / CDDP / 増感作用 |
研究概要 |
5-FU(0.5μ g/ml、24時間)とCDDP(0.1μ g/ml、24時間)を同時に併用した場合の放射線増感効果は、それぞれを単独で併用した場合の放射線増感効果の和よりも大きいことは、コロニー法を用いたこれまでのわれわれの研究で判明している。本年度の研究では、同じ細胞系を用いてフローサイトメトリーで検討した結果、5-FUとCDDPを同時に作用させると高濃度の5-FUを作用させた場合と同様のヒストグラムが得られることが判明した。このことから、CDDPは5-FUのDNA合成阻害を何らかの形で増強することによって、相乗効果をもたらしているものと考えられた。 臨床的研究では、手術不能の局所進行食堂癌を対象として、原則として放射線治療の全期間にわたり(ただし放射線治療を行わない土、日などを除く)、5-FUとCDDPを同時併用した。5-FUは250mg/m^2/24時間、CDDPは3mg/m^2/24時間とした。放射線治療は通常分割照射法により、1回1.8〜2.0Gyにて、原則として3群リンパ節を含む範囲に45〜46Gy、次いで原発巣(および腫大リンパ節)に限局して14〜24Gyを追加し、原発巣の総線量は60〜70Gyを目標とした。これまで24例に施行し、grade3+の副作用として、貧血2例(8%)、白血球減少6例(25%)、血小板減少1例(4%)、食道炎8例(33%)、嘔気・嘔吐7例(29%)、下痢1例(4%)を認めているが、治療関連死は1例もみられず、比較的安全性の高い治療法と考えられた。今後局所制御率および生存率をエンドポイントとし、従来の放射線単独治療群および5-FUのみの併用群の対比検討である。
|