研究課題/領域番号 |
08457240
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
酒井 邦夫 新潟大学, 医学部, 教授 (20018378)
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研究分担者 |
大久保 真樹 新潟大学, 医療技術短期大学部, 助教授 (10203738)
松本 康男 新潟大学, 医学部附属病院, 助手 (20303159)
土田 恵美子 新潟大学, 医学部, 助手 (70210630)
杉田 公 新潟大学, 医学部附属病院, 講師 (60216314)
藤田 勝三 新潟大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90080100)
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キーワード | 放射線化学療法 / 食道癌 / 5-FU / CDDP |
研究概要 |
本年度は臨床的研究を中心に実施した。まず、新潟大学附属病院ならびに関連病院(新潟RCT研究会)において1992年4月から1994年12月までの間に放射線と5-FU少量長期持続静注の同時併用で治療したII・III期食道癌31例(RT+5FU群)と、1983年1月から1992年3月までの間に新潟大学附属病院において放射線単独で治療したII・III期食道癌27例(RT単独群)の治療成績を対比検討した。RT+5FU群では、通常分割照射(総線量60Gy以上)の全照射期間にわたり、5-FU250〜300mg/m^2/dayを同時併用した。放射線治療の完遂率はRT単独群77.8%、RT+5FU群87.1%で、5-FUを5週以上投与可能であったものは80.6%であった。奏効率はRT単独群63%、RT+5FU群93%で、後者が有意に良好であり(p<0.01)、局所非再燃期間中央値もRT単独群4ケ月、RT+5FU群31ケ月で、同様に後者が有意に良好であった(p<0.05)。累積生存率では有意差はみられないものの、RT+5FU群が良好な傾向を示した(p=0.10)。 次いで、新潟RCT研究会において1995年1月から1997年12月までの間に放射線と5-FU+CDDP少量長期持続静注を同時併用したII・III期食道癌32例(RT+FC群)とRT単独群の治療成績を対比検討した。RT+FC群では、通常分割照射(総線量60Gy以上)の全期間にわたり、5-FU250mg/m^2/day、CDDP3mg/m^2/dayを同時併用した。放射線治療の完遂率は100%、5-FU+CDDPを5週以上投与可能であったものは59%であった。奏効率(94%)、局所非再燃率並びに累積生存率は、いずれもRT単独群に比較し有意に良好であった。
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