研究課題/領域番号 |
08457245
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
亀井 洋子 (金沢 洋子) 九州大学, 薬学部, 助教授 (20037584)
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研究分担者 |
山下 恒雄 ダイキン工業(株), 化学事業部, 研究員
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キーワード | 無侵襲がん診断 / NMR画像 / 化学シフト画像 / ^<19>F NMR / マウス / 2-デオキシ-2-フルオロ-D-グルコース / 2-デオキシ-2-フルオロ-D-マンノース |
研究概要 |
本課題は動物実験に向けた新たな無侵襲がん診断用造影剤の開発研究である。2-デオキシ-2-フルオロ-D-グルコース(FDG)はポジトロンCT用に開発された化合物であり、脳機能、心筋の診断と並びがん診断法としても標準的方法として検討されている。我々はFDGの代謝物は安定な^<19>F核を用いたNMRでのみ容易に追跡できることを示したが、その1つであるマンノース体(FDM)ががんに長時間保持されることを見いだした。ここでは悪性腫瘍の指標となる物質NDP-FDMを^<19>F NMR画像として描出するという新法を提案している。 本年度は投与物質であるFDGと代謝生成物であるFDMとを化学シフト画像により識別画像化することおよび物質の正確な時間変化追跡のために2化合物の同時画像化の技術確立を行った。FDGとFDMはNMRスペクトル上で5ppm(本実験のNMR装置9.4Tでは2kHz)離れて位置するが、識別画像化には化学シフト選択を適切に行う必要がある。まず、ウェーブフオームジェネレータを設置することにより任意の形のラジオ波を発生させ、近接した信号の選択励起ならびに選択照射を可能とした。さらにソフトウエアの改善によって時間的なロスなく2信号を同時測定することに成功した。これらを実験腫瘍マウスに適用し診断を行った結果、FDG投与2日目のFDM画像が最も選択性高く腫瘍を描出することが示された。この成果の一部はNMR in Biomedicineに投稿印刷中である。現在、代謝物の同定および低出力プロトン照射と麻酔深度の条件を探索中である。
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