研究課題/領域番号 |
08457249
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
三好 功峰 京都大学, 医学研究科, 教授 (10068447)
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研究分担者 |
大原 一幸 兵庫医科大学, 医学部, 助手 (00268541)
丸井 規博 京都大学, 医学研究科, 助手 (90199919)
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キーワード | アルツハイマー病 / 神経原線維変化 / 画像解析 / 神経細胞死 |
研究概要 |
本年度は、アルツハイマー病の皮質下灰白質における神経原線維変化の出現頻度と神経細胞の脱落についての検討を行なった。アルツハイマー病(AD)脳7例(Braak Stage 7)、対照脳5例において、マイネルト基底神経核、黒質、青斑核、縫線核、被殻、淡蒼球、前障、視床下部、赤核を含む10ミクロン厚の連続切片を作成し、Gallyas-Nissl二重染色、KB染色をおこない、皮質下灰白質の面積を計測した。ついで、画像をコンピュータ画像解析装置にとりこみ、神経原線維変化をもつ神経細胞(TBN)、もたない細胞(N)、Ghost tangle (GT)の単位面積あたりの数を計測した。計測された部位のうち、NFTの出現比率の最も大きなものは、マイネルト基底神経核であり、対照脳との比較では、全神経細胞の46.5%にNFTが出現している。そのほか、高頻度にNFTが出現している部位は、縫線核(23.8%)、青斑核(20.1%)、前障(12.2%)、黒質(11.3%)であった。最もNFTの出現頻度が低い部位は、神経細胞の多い被殻(0.5%)であったが、赤核(0.6%)、視床下部(1.5%)、淡蒼球(3.6%)にもNFTが出現していた。一方、神経細胞の減少率は、マイネルト基底神経核(-76.8%)が最も大きかったが、黒質(-44.1%)、青斑核(-46.3%)、縫線核(-51.7%)、被殻(-37.0%)、淡蒼球(-50.3%)、前障(-50.4%)、視床下部(-41.1%)、赤核(-43.4%)であった。AD脳の皮質下灰白質病変においてNFTの出現は、大脳皮質への投射線維をもつ部位に高頻度に出現していた。神経細胞の脱落はマイネルト基底神経核においてももっとも頻度が高かった。
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