研究課題/領域番号 |
08457250
|
研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
岡崎 祐士 長崎大学, 医学部, 助教授 (40010318)
|
研究分担者 |
新川 詔夫 長崎大学, 医学部, 教授 (00111170)
中根 允文 長崎大学, 医学部, 教授 (80039833)
川瀬 健一郎 長崎大学, 医学部附属病院, 助手 (30295076)
林田 雅希 長崎大学, 保健管理センター, 講師 (70264223)
|
キーワード | 一卵性双生児不一致例 / 精神分裂病 / 双極性障害 / パニック障害 / differential display / Notlサイト / ゲノムの差異 / epigenetic discordance |
研究概要 |
本研究は、一卵性双生児精神神経疾患不一致例の罹患者と非罹患者のゲノム差異をdifferential displayで検出し、差があるDNA断片をクローニングし、関連遺伝子や遺伝子発現の抑制関連DNA部位を見いだそうとするものである。本年度はrestriction landmark genome scanning(RLGS)を双極性障害とパニック障害不一致一卵性双生児にも適用した。 1.双極性障害とパニック障害例の結果 20歳に発症した双極性障害とパニック障害不一致男性一卵性双生児(検査時40歳、26歳)に、Notlを標識制限酵素として約2,000スポットからなるRLGSパターンを得た。両疾患共非罹患双生児にあり罹患双生児にないRLGSスポットを各2個、1個認めた。現在再現性検討中である。昨年1個のRLGSスポツト差異を見出した側頭葉てんかん例も再現性確認中。 2.分裂病不一致例の再現性検討とクローニング 昨年RLGSスポット差異を見出した一卵性双生児分裂病不一致例は2回以上再現性を確認し、両者間に2個以上のスポット(罹患双生児にあり非罹患双生児にない)を見出した。この差異の原因としては、epigeneticな点突然変異、微小染色体異常及び塩基修飾(メチル化等)により、新たなNotlサイト発生またはNotlサイト間距離の変化によることが考えられる。Notlサイトは遺伝子プロモーター上流転写調節部位のCpG islandsに多いので、転写活性の変化が片方の双生児に存在する可能性がある。クローニングに多量のDNAを要するので、末梢血を株化保存し、クローニング・マッピングに取りかかった所である。 3.今後の予定 分裂病例の結果はAm J Psychiatry(1998)155(3)で公刊、他の結果も国内・国際学会で発表予定である。
|