研究課題/領域番号 |
08457253
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
堺 俊明 大阪医科大学, 医学部, 教授 (20084874)
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研究分担者 |
稲田 泰之 大阪医科大学, 医学部, 助手 (10268211)
康 純 大阪医科大学, 医学部, 助手 (40257853)
高畑 龍一 大阪医科大学, 医学部, 助手 (70247857)
米田 博 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (30140148)
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キーワード | 精神分裂病 / 感情障害 / 非定型精神病 / アルコール症 / 分子遺伝学 / 相関 / セロトニン重要体遺伝子 |
研究概要 |
我々は昭和29年以来、約40年にわたって各種精神疾患を遺伝生物学的立場(集団遺伝、家系調査、双生児研究を中心に)より追求し、長期間にわたり資料を蓄積してきた。今回これらの資料を基礎に、神経疾患の遺伝子座位の解明をめざして、分子遺伝学の手法を用いた相関研究を行った。その際、薬理学的、内分泌学的知見などから、神経疾患の発症に関与していると考えられる受容体やその近傍のいわゆる候補領域あるいは遺伝子をマーカーとした。さらにこれらの結果から、神経疾患の疾病学的分類を検討した。 対象とした疾患は精神分裂病、感情障害、非定型精神病、アルコール症である。これらの疾患について、セロトニン受容体、ドパミン受容体、アドレナリン受容体、偽常染色体領域の多型性を示すDNAマーカーとの遺伝的相関(genetic association)を検討した。DNAマーカーの解析は、サザンブロットハイブリダイゼーションあるいはPCR法によってDNAを増幅しRELPを検出した。また、PCR-SSCP法や一部は直接塩基決定法も用いた。これらの解析によって得られた各マーカーの遺伝子型、遺伝子頻度を、患者群と健常対照群で比較した。 その結果、精神分裂病については、セロトニン2A受容体遺伝子、感情障害はセロトニン1a受容体遺伝子ならびに偽常染色体領域のDXYS20、アルコール症は若年発症のみがドパミンD2受容体遺伝子との有意な相関を示した。非定型精神病はいずれのマーカーとも相関は見られなかった。 これらの結果より、各疾患の間はもちろんの事、各疾患の中でも遺伝的に異種なものが含まれている可能性が示唆された。
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