研究課題/領域番号 |
08457263
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研究種目 |
基盤研究(B)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
大磯 ユタカ 名古屋大学, 医学部, 講師 (40203707)
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研究分担者 |
富田 保子 名古屋大学, 医学部, 医員
有馬 寛 名古屋大学, 医学部, 医員
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キーワード | 疾患モデル / バゾプレシン / トランスジェニックラット / 遺伝子発現 / 下垂体後葉ホルモン |
研究概要 |
本年度は下垂体後葉ホルモンであるバゾプレシン(AVP)の正常ヒト遺伝子をSprague-Dawleyラットに導入し、その過剰発現をきたすトランスジェニック(TG)ラットの作製を行った。TGラットの作製の第一段階として、まずヒトAVP遺伝子の上流にmetallothionein-I (MLT-I)プロモーター遺伝子を付加したDNAコンストラクトの作製を行い、PCR法によりその構造確認を行った。その後、このコンストラクトを正常雌ラットにおいて過排卵誘発処置後に得られた前核期受精卵に倒立顕微鏡下でマニュプレーターを用い注入し、さらにDNA注入受精卵をホルモンの前処置により偽妊娠状態とした雌ラットの卵管内に挿入し、着床後に仔ラットを得た。導入遺伝子の検定には、仔ラットの尾からDNAを抽出し、ヒトAVP遺伝子からデザインしたprobeを用いPCR法により陽性個体の確認を行った。ヒトAVP遺伝子を注入した受精卵からは、約3.7%の割合で注入遺伝子の陽性個体を得ることができたが、現在蛋白レベルの発現を検討する目的でZnSo_4を含んだ飲用水を摂取させMLT-IのドライブによりAVP遺伝子発現を促進させた後、代謝ケージを用い尿中AVPの排泄量の測定を行い、その増加により蛋白発現の確認を行っている。一方、TGラットを正常動物と交配し繁殖させることにより個体数を増加させ、AVP過剰状態の病態生理を検討する目的でin vivoの実験を行うと同時に、胚の保存を行うために雄性TGラットと過排卵処置雌ラットを交配し、多数の受精卵を凍結保存し、今後TG動物の安定した供給ができるよう準備作業中である。
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