研究課題/領域番号 |
08457267
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
桑島 正道 徳島大学, 医学部, 助教授 (00205262)
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研究分担者 |
時野 隆至 東京大学, 医科学研究所, 助教授 (40202197)
村上 尚 徳島大学, 医学部, 助手 (40210009)
野間 喜彦 徳島大学, 医学部・附属病院, 講師 (10218349)
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キーワード | カルニチン / カルニチントランスポーター / 脂肪肝 / 原発性カルニチン欠乏症 / 低血糖症 / 心肥大 / ミトコンドリア / 高アンモニア血症 |
研究概要 |
カルニチンのin vivoにおける役割は明確でなく、不明な点が多かった。しかしこのような否定的な認識は、我々の見いだした全身性カルニチン欠乏マウス(JVSマウス)の病態解析により一変しつつある。 本研修では次の点が明らかになった。 1)JVSマウスでは、加齢とともに心肥大が著明となる。対照に比し、両側の心室壁、中隔の面積は大きくなり、それぞれの細胞径も大きかった。電顕を用いた分析では、ミトコンドリアの占める割合が対照では37%、JVSマウスでは60%と増加していた。JVSマウスのAdenylate energy chargeは対照の約50%と低下していた。このようにカルニチン欠乏症におちいると、ミトコンドリアの増殖する心筋症になることが明らかになった。 2)JVSマウスは、高アンモニア血漿や低血糖症をひきおこすが、神経系には病理学的分析では明らかな病変は見あたらない。骨格筋ではragged-red-liberが多数見られたが、呼吸鎖の酸素活性は低下していなかった。外眼筋、横隔膜にも脂肪滴の蓄積が見られた。腎上皮細胞、唾液腺、Brunner腺上皮にも脂肪滴の増加がみられた。このほか、副腎細胞の萎縮と胸腺・脾臓のリンパ球の破壊がみられた。 これらの所見は、ヒトにおけるカルニチン欠乏症の病態の理解に役立つと考えられた。
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