• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1997 年度 実績報告書

血液細胞の増殖、分化、老化、細胞死の制御機構における糖鎖シグナル

研究課題

研究課題/領域番号 08457270
研究機関北海道大学

研究代表者

斎藤 政樹  北海道大学, 医学部, 教授 (60012762)

研究分担者 薮中 宗之  北海道大学, 医学部, 助手 (70240637)
石井 睦  北海道大学, 医学部, 助手 (20232225)
大田 雅嗣  北海道大学, 医学部, 助教授 (90160514)
キーワードガングリオシドGM3 / シアル酸転移酵素-I / シアリルモティーフ / II型膜蛋白質 / 細胞外マトリックス / テネイシンC / アポトーシス誘導 / 細胞周期
研究概要

平成9年度は、以下の研究成果を得た:(1)シアロ糖脂質分子ファミリー、ガングリオシド、に属する1分子種カングリオシドGM3はヒト骨髄性白血病細胞の増殖を抑制し単球系分化を誘導するが、その合成酵素(シアル酸転移酵素-1)の遺伝子クローニングに世界で初めて成功した。この遺伝子かコードする糖転移酵素は、他のシアル酸転移酵素と同様に2つのシアリルモティーフ(LとS)を持ち、II型の膜蛋白である。C末側に少なくとも3ヶ所の強い疎水性ドメインが存在する。今までに遺伝子クローイングされているシアル酸転移酵素に比べ、シアリルモティーフL内に特異的なアミノ酸残基変異を認めた。(2)リンパ球細胞相互接着や情報交換及び分化・成熟に重要なβ-ガラクトシドα2→6シアル酸転移酵素は、糖蛋白性基質に対してばかりでなく、糖脂質性基質に対しても酵素活性を発揮することを見出した。(3)悪性転換の初期段階に、細胞外マトリックス(ECM)糖蛋白分子、テネイシンの高い発現活性を見出し、造血微小環境を構成するストローマ細胞と造血細胞との直接的接触た介在し、造血能を制御していることをテネイシンCノックアウトマウスの長期骨髄培養系で発見した。(4)カウンターフロー遠心細胞分離機を応用し、分化誘導・アポトーシス誘導能をもつシアロ糖脂質ガングリオシドGM3を使用して、未分化HL-60と分化したHL-60細胞、両者のアポトーシス感受性を細胞周期の各期で調べたところ、未分化細胞ではS期の細胞が、G0/G1期又はG2/M期の細胞に比べアポトーシス感受性が高く、一方、ガングリオシドGM3で単球系分化を誘導した細胞では、G0/G1期の細胞がS期やG2/M期の細胞に比べアポトーシス感受性が高いことが判明した。また未分化にHL-60細胞では、G0/G1期にある細胞を再培養することによってS期細胞が増えるとアポトーシス、が誘導される、一方、分化誘導されたHL-60細胞では、再培養によって細胞周期がG0/G1期に停止すると、アポト-ティク細胞が増加する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] Nakamura,M., Saito,M., et al.: "Rapid Internalization of Exogenous Ganglioside GM3 and its Metabolism to Ceramide in Human Myelogenous Leukemia HL-60 Cells---" FEBS Lett.400. 350-354 (1997)

  • [文献書誌] Nakamura,M., Saito,M., et al.: "CMP-NeuAc:Galβ1→4GlcNacα2→6Sialylransferase Catalyzes NeuAc Transfer to Glycolipids." J.Lipid Res.38. 1795-1806 (1997)

  • [文献書誌] Ohta,M., Saito,M,. et al.: "Suppression of Hematopoietic Activity in Tenascin-C-Deficient Mice." Blood,. (in press). (June 1) (1998)

  • [文献書誌] Ishii,A., Saito,M., et al.: "Expression Cloning and Molecular Characterization of Human Ganglioside GM3 Synthase(Sialyltransferase-1,CMP-N-acethylneuraminic---" Nature. (in revision). (1998)

  • [文献書誌] Mei Xu, Saito,M,. et al.: "A Severe Clinical Phenotype of Maroteaux-Lamy Syndrome Caused by A Nonsense Point Mutation in Arylsulfatase B Gene." Human Genet.(in press). (1998)

  • [文献書誌] 斎藤政樹: "糖鎖生物学(蛋白質核酸酵素増刊号)" 共立出版株式会社(印刷中), 250 (1998)

  • [文献書誌] 斎藤政樹: "医科分子生物学 改定第3版(村松正美、谷口維紹編)" 南江堂, 501 (1997)

URL: 

公開日: 1999-03-15   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi