研究課題/領域番号 |
08457275
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
高橋 益廣 新潟大学, 医療技術短期大学部, 教授 (90179531)
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研究分担者 |
古川 達雄 新潟大学, 医学部・附属病院, 助教授 (00272849)
小池 正 新潟大学, 医学部・附属病院, 助教授 (30170161)
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キーワード | 相同的遺伝子組み換え / bvr-abl融合遺伝子 / チミジンキナーゼ / ネオマイシン耐性遺伝子 / 遺伝子修正 |
研究概要 |
異常遺伝子を正常遺伝子に換える修正遺伝子治療は将来に課せられた理想的な遺伝子治療である。白血病などの腫瘍細胞の異常癌遺伝子を正常な遺伝子に置き換えるには、homologous recombination法を用いた遺伝子導入を行う必要がある。我々は、あらかじめ慢性骨髄性白血病の原因遺伝子であるBCR-ABL融合癌遺伝子を導入することにより自律増殖能を獲得したマウス血液細胞株を用いて、homologous recombination法を応用して癌遺伝子の修正を試み、予備的な成果であるが、この融合癌遺伝子の修正が想定された細胞が得られた。homologous recombination用のプラスミッドpGDTKbvrNeoablreverseは、pGD210を基本にTKを組込み、BCR-ABLの間にNeoを組み込んだBCR-Neo-ABLをhomologous部位(BCR-ABL領域)の特異性を高めるために逆向きに挿入し直すことにより作成した。遺伝子導入細胞としてIL-3依存性マウス骨髄細胞株FDC-P2を用い、遺伝子導入は矩形波による電気パルス法で行った。pGDTKbcrNeoablreverse導入細胞の選択は、G418とganccyclovir両者の添加培養により行った。遺伝子導入とその発現の確認は、BCR-ABL、Neo、TKについて、PCRおよびRT-PCRにより、またhomologuous recombinationの確認は、Southern Blot法で行った。FDC-P2に1コピーのBCR-ABL遺伝子の導入が確認されたクローンに対し、pGDTKbcrNeoablreverseを導入しG418とgancyclovir両者に耐性で、BCR-ABLを発現していないクローンが樹立された。このクローンは本来獲得していた自律増殖能が消失し、Southern Blot法でhomologous recombinationが確認された。このように、homologous recombinationにより脱白血病化したと考えられるクローンが樹立された。
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