研究課題/領域番号 |
08457279
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
血液内科学
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
須田 年生 熊本大学, 医学部, 教授 (60118453)
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研究分担者 |
高倉 信幸 熊本大学, 医学部, 助手 (80291954)
YAMAGUCHI Yuji Kumamoto UniversitySchool of Medicine, Assistant Professor (00220286)
YAMAGUCHI Naoto Kumamoto University School of Medicine, Associate Professor (00166620)
IWAMA Atsushi Kumamoto University School of Medicine, Research Associate (70244126)
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研究期間 (年度) |
1996 – 1997
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キーワード | AGM領域 / Hemangioblast / Angiopoietin / TEK |
研究概要 |
哺乳類の個体発生では、胎児卵黄嚢における胚型赤血球の産生によって一次造血が開始される。その後、背側大動脈周辺のAorta-Gonad-Mesonephros(AGM)領域において自己複製能を有する造血幹細胞が発生し、その造血幹細胞が卵黄嚢以降の造血の場である胎児肝・骨髄へと移行し、二次造血が営まれるようになる。この一時造血から二次造血への移行は発生過程において急速かつ劇的に生じるものである。本基盤研究では、二次造血の開始期にみられる血管内造血における分子機構、および血液細胞と血管内皮細胞の相互作用について研究をすすめ、以下のことを明かにしえた。 1.TIEおよびそれとほぼ50%のホモロジーを示すTEKは、FACS解析により、ヒト、マウスの成体造血組織においては、血管内皮細胞の他に、未分化造血幹細胞とB細胞に発現していることが明かになった。 2.胎生期AGM(Aorta-Gonad-Mesonephros)領域においては、血管内皮細胞と造血幹細胞の共通祖先細胞であるHemangioblastにTEKが発現していること、造血幹細胞は、卵黄動脈で増幅すること、TEK遺伝子破壊マウスでは、AGMにおける二次造血が障害されていることが示唆された。 3.2つのTEK結合因子(Angiopoietin-1,-2)がクローニングされ、そのin vitro活性を検討したところ、細胞接着に関与することが明かになった。 4.さらに、骨髄細胞に、Angiopoietinを添加すると、有意の血管内皮細胞の増殖を認めた。しかし、この作用は、TEK陽性細胞を分離して培養した場合は、著明ではなかったため、骨髄細胞由来の未同定因子とangiopoietinの相互作用によると考えられる。
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