研究課題/領域番号 |
08457280
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研究機関 | 自治医科大学 |
研究代表者 |
小澤 敬也 自治医科大学, 医学部, 教授 (30137707)
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研究分担者 |
卜部 匡司 自治医科大学, 医学部, 助手 (40213516)
間野 博行 自治医科大学, 医学部, 助教授 (90240704)
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キーワード | 遺伝子治療 / 遺伝子導入 / 遺伝子組込み / AAV / AAVS1領域 / Rep / ITR / TVI法 |
研究概要 |
野生型アデノ随伴ウイルス(AAV)はウイルスゲノムが宿主細胞の染色体DNAに部位特異的(19q13.3-terに存在するAAVS1領域)に組み込まれることから、その遺伝子治療用ベクターへの応用が期待されている。しかし、現在のAAVベクターは非構造蛋白質のRepが除かれているため、この重要な性質が失われている。本研究では、AAVS1領域への部位特異的組込み(TVI:targeted vector integration)に必要とされるRep蛋白質に関して、基礎的解析を行った。 1.個々のAAV-Repと染色体部位特異的組込み頻度の関係:四種類のRep(Rep78、Rep68、Rep52、Rep40)の発現ベクターとITRの間にneo耐性遺伝子を挟んだプラスミドを293細胞にトランスフェクションし、第19番染色体AAVS1領域への特異的組込みの頻度について検討した。アッセイ法としては、(1)AAVS1領域とITR領域の2ヶ所にプライマーを設定したPCRドットプロット法、(2)AAVS1プローブとneo^rプローブを用いたSouthern分析法における再構成バンドの検討、および(3)FISH法による分析を行った。その結果、Tep78とRep68がTVI反応に関与していることが確認できた。 2.Rep蛋白質の部位特異的組込み活性ドメインに関する検討:多数のミュータントRep発現プラスミドを構築し、それぞれの組込み活性を検討した。また、各ミュータントRepのAAVS1領域への結合活性についてはGAGC繰り返し配列を用いたゲルシフトアッセイを行った。その結果、Arg107、Lys136、Arg138のアミノ酸残基それぞれをAlaに変換したミュータントRepではTVI活性とGAGCへの結合活性が失われた。 これらの結果は、新しい染色体部位特異的遺伝子組込み法の開発にとって重要は知見と考えられる。
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